首都圏支部
作成 戸谷 輝夫

  こんな都会の片隅にも野鳥は思いのほか元気に生きています。
  関心をもてば彼らの生き様が見えてきます、聞こえてきます。
  さあご一緒に野鳥との出会いを楽しみにお出掛けになりませんか。
  初心者歓迎!ご一緒に野鳥観察を楽しみましょう
2016/1月行事の実施報告 

 場 所  明治神宮 (渋谷区) 

 日 時 平成28年1月17日(日) 8:30~12:00
  コース
     北参道鳥居下~神宮の森~北池~宝物殿前の芝生~西参道
   ~本殿前広場~御苑入園~南池~菖蒲田四阿(鳥合わせ)~
   明治神宮文化館・他(昼食懇親会)


 
参加者   小松裕一、細井忠雄、石毛稔恭、中嶋 繁、田口春一郎、尾原 武、
 (敬称略)  堀田敏江、鵜飼順子、福井泰一郎、倉光幸司、岡田俊男、石原幸子、
        植村光子、佐治久子、小田島明美、小川嘉子、小池紀子、
        香取一昭、香取文子、戸谷輝夫(担当)     [計 20名]
 

翡翠
 (カワセミ)
明治神宮「御苑」内の南池にて
報告
 当会としては3年ぶりに復活の観察地です。ここの行事の場合は毎回日本野鳥の会東京の定例行事に合流する形で参加させて貰っています。日本野鳥の会で永年指導員をされている方々は、野鳥の知識はもちろんのこと、植物はじめ自然に関する知識も話題も豊富で、楽しみながら学習をさせて貰えるので、大変刺激になり有難いことです。

 今回はお目当てのオシドリが見当たらなかったのが少し残念でしたが、その代わりとでも言いましょうか、真冬の青い鳥として人気の高いルリビタキや、オオタカとカラスの空中戦、御苑内では色鮮やかなカワセミ、手に乗ってくるヤマガラなど、見どころも満載で、寒さを感じさせないほどの天候にも恵まれて楽しませてくれました。


1.明治神宮の「永遠の森」構想
 正月のNHKスペシャル番組をご覧になった方も多いと思いますが、その番組で紹介された通り、明治神宮が出来る前はこの辺り一帯は南豊島御料地(皇室の所有地)といって、現在の御苑一帯を除いては畑がほとんどで荒れ地のような景観が続いていたそうです。
 「永遠の森」を目指した壮大な計画のもと、大正4年から造営工事が始まりましたが、創建当初明治神宮に何を植えたら立派に育つか、また100年後自然の状態になっていくのか、当時の学者たちが考えました。そして椎・樫などの照葉樹を植えることに決定したのです。理由は大正時代、すでに東京では公害が進んでいて、都内の大木・老木が次々と枯れていったのでした。そこで百年先を見越して、神宮には照葉樹でなければ育たないと結論づけたのでした。その後全国から植樹する木を奉納したいと献木が集まり、全部で約10万本の木が奉献され、延べ11万人に及ぶ青年団の勤労奉仕により植林することによって、代々木の杜が誕生しました。

 現在、明治神宮境内の樹木を見ると椎・樫・楠が多く、伊勢の神宮や日光東照宮のような杉や檜が少ないことに気づきます。ところが当時の内閣総理大臣であった大隈重信首相が「神宮の森を薮にするのか、薮はよろしくない、当然杉林にするべきだ」として伊勢の神宮や日光東照宮の杉並木のような雄大で荘厳なものを望んでいました。しかし当時の林苑関係者は断固として大隈重信の意見に反対し、谷間の水気が多いところでこそ杉は育つが、関東ローム層の代々木では不向きで、杉が都会に適さないことを説明してようやく納得させたそうです。もしこの時に杉の森にしていたら、今のような素晴らしい森にはなっていなかったかも知れません。まさに当時の学者の皆さんの自然に対する知恵が、野鳥をはじめ多くの生物が生息する豊かな自然林を作ったとも言えましょう。 (明治神宮の公式サイトより抜粋編集)

      NHK正月スペシャル番組「明治神宮 不思議な森」
      http://www.nhk.or.jp/nature/feature/meijijingu/

観察種
  マガモ、カルガモ、オナガガモ、キンクロハジロ、カイツブリ、キジバト、ツミ、ハイタカ、オオタカ、
 カワセミ、コゲラ、モズ、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ウグイス、エナガ、
 メジロ、シロハラ、ルリビタキ、ジョウビタキ、スズメ、キセキレイ、ハクセキレイ、カワラヒワ、シメ、
 イカル、アオジ、クロジ、ドバト
                     ( 計 31種  )

案内人(戸谷)、記事(戸谷)、写真(田口春一郎・戸谷輝夫) 



明治神宮「御苑」内にて
常緑樹や落葉樹が混在する森は、野鳥をはじめ生き物にとって棲み易い環境のようでした

アオジ
冬の黄色いお客様

御苑内の南池のほとりにて
ヤマガラが手のひらに乗ってきました

*このページは低速通信利用者に配慮して画像解像度を押さえて作成しています。
 右の「スナップ写真コーナー」では、ここでご紹介出来なかった画像も含めて、
 少し解像度を上げた写真(拡大可)を掲げて、当日の雰囲気をお伝えしています。
 
スナップ写真コーナー
(アルバムに写真多数)