報告
前回訪れたのは昨年6月の花菖蒲の季節でしたが、今回は初秋の水元公園を訪れることになりました。幸い最初の「カワセミの里」で、お目当てのカワセミが姿を見せて、餌取りのダイビングまで披露してくれました。カイツブリの潜水、アオサギの優雅な飛翔、枝を飛び交うオナガの群れが次々と現れ、これぞ初秋の水辺の観察会といった風情で、全員が堪能させて貰いました。
またバードサンクチュアリ(野鳥の聖域)では、カワウやアオサギの群れが間近で観察できて、しかも対岸の林にオオタカまで身を潜めているではありませんか。特に初めてこの観察地を訪れた方々は、しばらく観察窓に釘づけ状態で愉しんでおられました。自然のままに暮らす野鳥の姿は、どんな鳥でも魅力的に見えるものなのですね。
水元大橋の付近からは家族連れなど人通りも多くなり、野鳥観察をする環境とは程遠いものがありましたが、ここからは気持ちを切り替えて、帰路は南蔵院の「しばられ地蔵」に寄ってみました。
しばられ地蔵の由来 (南蔵院の案内パンフレットより).
享保年間、呉服問屋の手代が荷車に反物を満載して南蔵院の門前を通りかかった。 ここらで一服と門前に車を止め、境内で涼をとる内に一眠りしてしまった。 目が覚めると荷車が無くなっており、青くなって番所へ駆けつけた。
名奉行の大岡越前守の直々の取り調べとなり、「寺の門前に立ちながら泥棒の所業を黙って見ているとは、地蔵も同罪なり、直ちに縄打って召し捕って参れ」と命じた。 かくして地蔵はぐるぐるに縛られ、車に乗せられ江戸市中を引き廻され南町奉行所へ。物見高い野次馬が、どんなお裁きが始まるかと奉行所になだれ込んだ。 頃を見計らった越前守は門を閉めさせ「天下のお白州に乱入するとは不届至極、その罰として反物一反の科料申附ける」の一声。
奉行所にはその日の内に反物の山が出来たが、その中から盗品が出てきて、それへと調べると当時江戸市中を荒した大盗賊団が一網打尽となった。 越前守は地蔵尊の霊験に感謝し、立派なお堂を建立し盛大な縄解き供養を行った。
観察種
カルガモ、カイツブリ、キジバト、カワウ、アオサギ、ダイサギ、トビ、オオタカ、カワセミ、コゲラ、
モズ、オナガ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、シジュウカラ、ヒヨドリ、コサメビタキ、スズメ、
ハクセキレイ、ドバト (計 20種)
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