清澄庭園は当会としては約4年ぶり(前回
H18/1)の観察地です。前回は雪景色のなかでの日本庭園を満喫しましたが、今回は穏やかな天候に恵まれ、回遊式林泉庭園をゆっくりと堪能してきました。池にはキンクロハジロやホシハジロなどの潜水ガモが羽を休め、また奥の石舞台の辺りでは、高木の間をオナガの群れが行き来して、首がだるくなるまでその動きを追いました。終了後は有志で近くの「どぜう屋」に入って一杯やりながら、江戸以来の味を賞味してきました。
・清澄庭園
泉水、築山、枯山水を主体にした「回遊式林泉庭園」です。この造園手法は、江戸時代の大名庭園に用いられたものですが、明治時代の造園にも受けつがれ、清澄庭園によって近代的な完成をみたといわれています。この地の一部は江戸の豪商・紀伊國屋文左衛門の屋敷跡と言い伝えられています。享保年間(1716〜1736年)には、下総国関宿の城主・久世大和守の下屋敷となり、その頃にある程度庭園が形づくられたようです。
明治11年、岩崎弥太郎が、荒廃していたこの邸地を買い取り、社員の慰安や貴賓を招待する場所として庭園造成を計画、明治13年に「深川親睦園」として一応の竣工をみました。弥太郎の亡きあとも造園工事は進められ、隅田川の水を引いた大泉水を造り、周囲には全国から取り寄せた名石を配して、明治の庭園を代表する「回遊式林泉庭園」が完成しました。
・芭蕉庵史跡展望庭園
隅田川と小名木川の合流点あり、四季折々の水辺の風景が楽しめます。庭内には芭蕉翁像や芭蕉庵のレリーフを配し、往時を偲ぶことができます。芭蕉翁像は、午後5時になりますと坐像の向きが川に向かって90度回転し、隅田川を行く船々を見守っているかのようになります。