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<2017年度例会記録です>

<第21回例会> 本格的な「茶事」の稽古を初体験

2017.12.13(水)
 今年の最後の例会は茶事(ちゃじ)の稽古です。茶事とは食事を伴う正式な茶会ということですが、今月の稽古は会員7人を ①招待する側は亭主と半東(はんとう)、②客側は正客・次客・三客・四客・末客(お詰)と役を決めました。稽古ではこの茶事の大まかな流れを体験しました。
  1. 待合(まちあい)
    玄関ドアは少し開けられています。ピンポンなし、挨拶なしで待合(客が待ち合わせる場所)に行きます。そこには茶会の次第や茶道具を詳しく記した大友さん直筆の会記が置かれており、今日の茶事の本気度を実感します。半東さんから白湯(さゆ)もいただき、次第に気持ちが高揚してきます。
  2. 席入(せきいり)
    正客から順に、草履を履き、蹲踞(つくばい)で手と口を清め、躙口(にじりぐち)から入室します。順に床の間のお軸、釜や棚を拝見します。
  3. 挨拶
    客が座につくと亭主から挨拶が始まります。ここで初めて亭主と客が言葉を交わすことになります。亭主は正客から順に一人ひとりと挨拶を交わし、問われれば茶具について答えます。
  4. 初炭(しょずみ)を直す 
    濃茶を練るときに炭を注ぐのを「初炭を直す」といい、 この所作を「初炭点前」というようです。この点前を客も近づいて拝見します。このとき香を炊きます。香を入れる器が香合(こうごう)で、茶道では大きな存在です。
  5. 懐石(かいせき)
    懐石とはもともと茶事でお茶をいただく前に出される簡素な食事のことをいうようです。今回はそのお弁当をいただきました。汁椀も添えられ、お酒もいただきました。一般には亭主は客と食事をすることを辞しますが、今回は皆さんと一緒にいただきました。
    食事が終わると客は一斉に箸を膳に落とします。その音を合図に膳は引かれ、引き続き縁高(ふちだか)で主菓子をいただきます。その後客は茶室から待合に退出し、席が改まるのを待ちます。その間に亭主は床の掛物をはずし、花入れを床の中くぎにかけます。さらに棚に道具を飾ります。
  6. 再びの席入
    合図を受け、再び正客から順に蹲踞を使い、躙口から席入りをします。新たに置かれた床の花、棚に置き合わされたお道具、釜や炉の様子を拝見して座につきます。
  7. 濃茶と薄茶をいただく
    まず、亭主による濃茶点前をおいしくいただきます。引き続き、亭主に代わり半東が点てた薄茶もいただきます。
  8. 退出
    茶入、茶杓、仕覆、茶器の拝見を終わると、正客はお礼を述べ「お見送りはご無用に」と挨拶します。正客から順に床の間や炉の様子を伺い退出します。亭主は名残を惜しんでお見送りします。

<今月のお花とお菓子>
お 花:ボケ(木瓜)・小菊
花入れ:竹一重切
主菓子:むらすずめ
干菓子:ふ焼き煎餅、有平糖(あるへいとう)


<第20回例会> 炉で「濃茶点前」続き2

2017.11.8(水)
 11月になり、茶室は「風炉」から「炉」に変わりました。花入にも白玉椿が生けられ、季節は開炉から一気に冬に向かいます。今日も濃茶と薄茶の稽古をしましたが、その流れに沿って炉点前と風炉点前の違いをいくつか学びました。

 今月は濃茶点前に出てくる帛紗(ふくさ)の「四方さばき」を皆で一緒に稽古しました。腰に付けた帛紗の引き出し方、さばき方、茶杓(ちゃしゃく)の清め方も復習しました。
 炉の点前は亭主の顔や所作がよく見えます。火も近くなり皆で炉を囲むことになるせいか、茶室の皆さんと一層心が近付くように感じられます。足がしびれたり、お菓子をこぼしたり、思うようにいかない、あれもこれも楽しむことにして、今年の炉の稽古の初日でした。

<今月のお花とお菓子>
お 花:サンゴミズキ、白玉椿(しらたまつばき)
主菓子:里時雨(さとしぐれ)、蔦もみじ、さざんか、織部饅頭
干菓子:吹き寄せ
 今回の主菓子は三重の縁高(ふちだか)でいただきました。蓋の上には人数分の「黒もじ」が添えられています。お重を少しずらして黒もじをさし入れ、下から順に主菓子を取ります。使用した黒もじは持ち帰ってもよいそうです。


<第19回例会>「濃茶点前」続き と「中置」

2017.10.11(水)
 今月度例会は9月度に続き濃茶(こいちゃ)の稽古がありました。濃茶を練る、総礼の仕方、帛紗の四方さばき、小茶巾(こぢゃきん)の扱い、拝見の仕方など・・・まだまだですが、おいしい主菓子に思いをはせながらの楽しい稽古になりました。
 さて、10月は風炉の最後の月になり、名残を惜しんで10月だけの 中置(なかおき)というお点前があります。釜を点前座中央に置き水指はその左に置くお手前で、ちょっとだけ稽古がありました。
 もちろん、定番の薄茶の稽古もあり、新人会員さんには盆略点前の稽古もあり、賑やかな盛り沢山の稽古となり時間を大きくオーバーしてしまいました。
 さて、今月のビデオカメラは、濃茶の前準備をする水屋を覗いてみました。茶室外でも学ぶことは沢山あります。

・今月のお花とお菓子
花入れ:籠
お 花:われもこう、りんどう2種(青、ピンク)、むくげ、あかまんま
主菓子:栗きんとん
干菓子:楽雁(らくがん)、さくさく日記(帆立の煎餅)


<第18回例会>「濃茶」の全体の流れを初体験

2017.9.20(水)
 9月度例会も定番の薄茶の稽古(お茶の稽古の基本)があり、後半は久しぶりの濃茶(こいちゃ)の稽古がありました。溝口さんは休会です。
 今までの稽古は 大友さんが点てた濃茶を飲み回すだけでしたが、今日は全体の流れを初体験しました。濃茶のお点前は薄茶の点前との違いもたくさんあります。濃茶の抹茶は「茶入れ」という容器に入れ、さらに「仕覆(しふく)」という袋に入れて大切に扱います。濃茶の練り方はもちろん、総礼やお菓子のタイミング、茶入れや仕覆の扱い方、帛紗の四方さばき、また拝見の仕方など初めての経験でした。
 濃茶をいただくときは、一人三口半ずつ飲み回し、飲み口は小茶巾(こぢゃきん)で拭いて隣に手渡しをします。「お服かげんはいかがですか?」という亭主の問いに、「苦うございました」と正客のとっさの返事。皆で大笑いしてなごやかに濃茶を味わいました。

・茶入れと仕覆
 茶入れと仕覆は茶を嗜む人には特に重要な位置づけでした。茶入は陶器など焼き物、蓋は象牙が普通です。これを金襴(きんらん)や緞子(どんす)の裂(きれ)で作られた仕覆(しふく)という袋を着せて観賞します。
・小茶巾
 小茶巾は裏千家において濃茶を飲んだ後に茶碗を拭く小さな茶巾ですが、不織布の「紙小茶巾」と呼ばれるものが広く使われます。
・今月のお花とお菓子
お 花:われもこう、きんみずひき(金水引)、りんどう
主菓子:うさぎ(お饅頭)
干菓子:松月(しょうげつ)
お濃茶の主菓子:舟月夜(羊羹) 


<第17回例会>「野点」を室内で体験

2017.8.9(水)
 8月度例会は大友さんのお孫さん3人も夏休みでご一緒し、四畳半の茶室は会員7人と合わせて10人となる賑やかな茶会となりました。こんな人数になると、茶道経験者である新会員さんのフォローが大助かりです。
 講師の大友さんは季節の移り変わりにあった茶会を工夫してくれています。先月は水指(みずさし)に葉蓋(はぶた)という涼を味わう嗜好がありました。今月は 野点(のだて)の茶具を使って、室内で野点風の茶会を企画してくれました。

 野点とは戸外で茶を点てて楽しむ茶会のことです。地面や倚子に紅い毛氈(もうせん)を敷き、この上に座って茶を楽しんでる風景をよく見かけます。野点に使う茶具は大がかりにならないように、簡易にまとめた野点セットとして通販でも売られています。
 今月の茶花とお菓子です。
お 花:矢はずすすき、りんどう、むくげ
主菓子:カステラ
干菓子:柚子琥珀(ゆずこはく)、和三盆糖、金平糖
 今月の例会のページは賑やかな写真特集とします。一部を除き写真の説明は省きました。


<第16回例会> 涼を呼ぶ「葉蓋」のお点前

2017.7.12(水)
 7月度例会から新しく 溝口さん が入会されました。今後は男性が3名 女性は大友さんを含めて4名、全7名と賑やかな稽古になります。今月の例会も風炉(ふろ)の「平点前(ひらてまえ)」の稽古ですが、夏の暑いこの時期、涼を味わうちょっとした工夫がありました。
 茶の湯では四季それぞれに、独特のお点前が考えられてきました。その一つが植物の葉を水指(みずさし)の蓋に見立てて涼感を呼ぶ嗜好です。当初は梶(かじ)の葉が用いられましたが、ほかに里芋、蓮、桐の葉がよいとされているようです。入手の容易さから今例会では、さつまいもの葉を用いました。
 これを葉蓋(はぶた)といいます。この水指の葉蓋の扱いをビデオに撮りました。メニューの「茶の作法」から、あるいは「ここから」でもご覧になれます。
 茶室の茶花も、さらに涼感たっぷりのお菓子も、私たち会員を爽やかに迎え入れてくれました。
茶花は、矢はずすすき、ぎぼうし、白蝶草(ハクチョウソウ)、キンミズヒキナデシコ、雑草2種です。
主菓子(おもがし)は、葛饅頭(くずまんじゅう)です。みずみずしい透明感に、見た目も涼やかです。
干菓子(ひがし)は、団扇(うちわ)、水氷(みず氷)、コスモスの名が付いた3種です。
 稽古で茶室をお借りしている上にこのようなお心遣いまで、大友さんには迷惑ばかり掛け続けています。私たち会員もその気になって努力しなければなりません。ここでの稽古のほかに、ビデオを見たり、本を読んだりなど、お点前の稽古は家でも十分できるわけです・・・
 例会の稽古で出るお茶とお菓子はこの上なくおいしいですし、交わされる会話も楽しい時間です。今後の例会がますます楽しみになってきました。

<第15回例会> 薄茶の「平点前」続き5

2017.6.14(水)
 6月度例会から新しく 梅沢さん が入会されました。今月の例会も引き続き薄茶の「平点前(ひらてまえ)」の稽古をしましたが、新会員さんのお点前の技量は我々旧会員に比べて数段も上です。
 私はもう1年以上も経つのに、お点前の手順がなかなか覚えられず、大友さんには手取り足取り毎回同じことを教えてもらうことになり、迷惑ばかり掛けてきました。
 新会員さんはかなり裏千家の経験がありますので、今後は彼女からのサポートも受けられそうですし、大友さんの負担も少しは軽減されればと願っています。
 そのためには、4人の旧会員もその気になって努力しなければなりません。ビデオを見たり、本を読んだりなどして、お点前の稽古は家でも十分できるわけです。ただ、その気持ちは十分あるのですが・・
 稽古で出るお茶とお菓子はこの上なくおいしいですし、交わされる会話も楽しい時間になります。今後の例会が楽しみです。

<第14回例会> 薄茶の「平点前」続き4

2017.5.10(水)
 この5月度例会は、引き続き薄茶の「平点前(ひらてまえ)」の稽古をしました。ただ、5~10月の季節は、釜をかけて湯を沸かす炉は「風炉(ふろ)を使います。

<第13回例会> 薄茶の「平点前」続き3

2017.4.12(水)
 2017年4月度例会は、先回に引き続き薄茶の「平点前(ひらてまえ)」の稽古をしました。

<第12回例会> 薄茶の「平点前」続き2

2017.3.22(水)
 2017年3月度例会は、前回に続き薄茶を「平点前(ひらてまえ)」で点てる稽古をしました。2017年度は1月例会から、平点前の稽古が始まっています。昨年度の「盆略点前」に比べ茶具の置き方が複雑になる分、お点前が少し難しくなります。

<第11回例会> 薄茶の「平点前」の続き

2017.2.7(火)
 2017年2月度の例会は、1月度に続き薄茶を「平点前(ひらてまえ)」で点てる稽古をしました。

<第10回例会> 初めての「平点前」に戸惑い

2017.1.18(水)
 2017年度初回の例会は、新年の香り漂う大友さん宅の茶室で行いました。
  1. 縁高(ふちだか)は、菓子椀に代わる正式な主菓子器です。重箱を小さくした形状をしており、一重に一つずつ菓子を入れ、客数だけ重ねて一番上に蓋があります。
  2. 濃茶用の茶葉は新芽のときに覆いをかぶせ、日光を遮って育てます。日光を遮ることで、深くまろやかな甘味・旨味と、豊かで奥行きのある香りが生まれます。正式な茶事においては、濃茶でおもてなしをするようです。
  3. 茶碗に抹茶とお湯を入れて茶筅(ちゃせん)を使う所作を、薄茶では「点てる」といいますが、濃茶では「練る」といいます。
  4. お茶の稽古では、お点前の一つひとつの所作を取り出して稽古する、割稽古(わりげいこ)で習います。「盆略点前」は初歩の稽古で、割稽古でのお点前習得に適しています。一歩進んだ「平点前」は、これからのいろいろな点前の基本となる稽古です。



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