(第12回)

"いきものを通じて自然を守る"

枚方市田口山1丁目在住 石川新三郎様
2007年6月3日 取材

<画像をクリックすると大きく表示されます>
探鳥の会ミーティング

 プロフィール 】
 現役当時、松下電器での仕事は本社技術部門(旧中央研究所)で主に機械系技術者として試作部門に従事し、VHSビデオヘッドの量産技術開発、液晶TFTラインの立ち上げなど電子デバイスの工法開発を担当、後半はプラズマテレビなどディスプレーデバイスの開発を支援され、2001年12月に定年退職、その後現在も引き続き週4日程度関連事業場に勤務をされている。

 きっかけ 】
 25年前、1年間病気療養中に自宅に近い山田池公園を散歩中、偶然水辺で鮮やかな色の鳥カワセミを見て「枚方にこんな美しい鳥がいたのか・・・」と感動を覚えた。その鳥との出会いがきっかけで野鳥の魅力に取り付かれ、同時に自然環境を大切にしたいとの心が芽生えた。

【 枚方いきもの調査会 】
★ 1998年度から2年間、市が市民に呼びかけた「枚方ふるさといきもの調査隊」に参加、いきものの実態を調査し、多くのいきものが生息していることを発見。「これらの自然を何とか次の世代に残すために調査活動を続けよう」という仲間が集まって「枚方いきもの調査会」が2002年1月に結成され、代表を引き受けた。

★  現在「野鳥部会」「植物部会」「昆虫部会」「メダカと魚部会」の4部会の会員120名で活動されているが、市民の年間のべ参加人数は1500人にのぼる。
具体的な活動は、市の各地域(淀川河川敷、山田池公園、天の川など)で月に2〜3回調査会や観察会を行い、年間の「調査報告書」をまとめている。

 山田池公園での取材 】
★  6月2日(土)石川さんから現地で自然界の不思議やその魅力についてのお話を聞き、翌日には野鳥部会の「探鳥の会」の活動に同行取材することが出来た。参加者は32名で我々と同年齢で夫婦やそして市民の鳥の愛好家などである(松愛会会員も1名参加されていた)。

★ 今の時期は鳥は少ないようであるが、当地には約100種類の鳥がいるとのことである。新緑に茂る木々の中で鳴く鳥の声を聞き、空に舞う鳥を双眼鏡で位置を確認、即座に鳥の名前を峻別する。その能力は訓練と経験から来るものなのかと驚嘆する。石川さんら会のメンバーは、確認した鳥の名前、性別、時間、場所などを克明にその場で記録されていた。

★ 三脚で固定した望遠鏡で枝に止まっている鳥を覗かせてもらう。絵本では見るが近くで見る本物に感動する。野鳥の会のリーダーからスズメ、ハシブトカラス、ハシボソカラス、カイツブリ、ヒヨドリ、ダイサギ、カルガモ、オオヨシキリなど丁寧に鳥の名前を教えてもらう。山田池公園の南側には昨年オープンした広大な遊園地があり、そこではひとり立ち?したツバメの幼鳥が親の運んでくる餌を待っている姿が多く見られた。
 山田池公園を一周した探鳥の会のメンバーは休憩所にて今回の活動のまとめを行った。今日出会った鳥をリストと照らし合わせて全員で確認したが全部で23種類であった。

【 今後の取り組み 】
1. 枚方市自然博物館・資料館の設立。
2.市といきもの調査に共同参画。
3.環境省のモニタリングサイト1000に継続参加。
4.5年間のいきもの調査記録書類発行。
5.活動主体を若い世代に引き継ぎ更なる活動推進。

 まとめ 
 
「合理性を追求する現代社会、とくにビジネスの世界の価値観と自然界の価値観は違い、自然の営みは分らないことだらけで、それがまた大変面白い。そして野鳥はすべてのいきもののバロメーターである。生態の連鎖がそこに存在する。ビジネスの世界で生きてきた自分が、この活動に参加して人と自然の多様性を知り、そして人との接し方をも学ぶことができた」と石川さん。
 鳥やいきものを愛し自然環境を守る活動に喜びと誇りをもって取り組んでおられる姿には感動するとともに敬意を表したい。

追伸:松愛会の皆さんもぜひ気軽に参加してほしいと希望されていました。

取材:井須、田宮、岸本 HP作成:井須

山田池公園地図
野鳥の観察
石川さん
ダイサギ発見
観察した鳥を記録
花菖蒲池
菖蒲咲き始める
アオサギを発見
観察中の石川さん
美しい鳥に感動
山田池公園南遊園地
アオサギの巣造り
カルガモ
ダイサギ
カイツブリ
ツバメの幼鳥
全員で成果確認
石川さんと一緒に

<画像をクリックすると大きく表示されます>


戻る