12月23日掲載
 菊花展で内閣総理大臣賞受賞 山形分会佐藤会員

 
  山形分会佐藤会員が、菊花展で見事、「内閣総理大臣賞」を受賞しました。
佐藤会員は、54歳で枚方市で菊作りをはじめ、その後天童市でも作り続け今年で9年目を迎えました。 今年は三本立盆養・七本仕立て・だるま・福助・盆栽・懸崖・ドーム菊と全ての品種を230鉢ほど露地栽培しました。8月には直径2〜3cmの大粒の雹に見舞われたり、開花前の10月には台風19号対策で全ての菊を家の中に移動させたりと様々な出来事がありましたが、菊花展の時期に見事に咲き揃い、三本立盆養厚物の部で一席の「内閣総理大臣賞・天童市長賞」をいただくことが出来ました。
   

 

 
 始めた動機は、平成18年、縁あって大阪府枚方市に10回目の転居をすることになり、その年末の枚方市報「菊作り講座」募集が目に留まったことです。土曜日コースで5年間「佃 卓」先生の指導を受けました。
講座は座学と実技がありましたが、都合の悪い時は家内に代理出席を願ったものです。
 菊花展に一鉢必ず出品することが新人のノルマであり、無我夢中で栽培しました。結果、未だ蕾の状態でのきわめて背の低い菊を出品しなければならない状態でした。しかも仕事の都合で家内に出品の搬入を頼みましたが、先生に「誰だこんな菊を持ってきたのは」と言われ、家内に恥ずかしい思いをさせたものです。
 菊づくりは「初心にかえる」と言われます。冬の間に苗を育て3月から5月にかけ腐葉土・培養土を作り
4月から7月の挿芽から栽培し10月に花を咲かせます。11月には後始末とケヤキの落ち葉・葦・豆柄など
を集め12月には1年間の反省と来年度の計画を練ります。一年を通しての作業があり、一つの作業も手抜きできません。特に、5月から開花までの期間は毎日の水やり・肥料・消毒などで家を空けることすら出来ない状況になります。このように毎年反省を繰り返しながら初心にかえっては挑戦し栽培を繰り返しています。
 天童での栽培が4年目を迎えました。大阪との気候条件があまりにも違い、栽培期間の管理に苦労をしていますが、菊づくりには最も適した気候条件だと思っています。
 また、菊は「健康の鏡」とも思います。栽培時の心身の健康状態が生育状況・花にはっきりと出てきます。
大きな悩み事があったり身体が思わしくない時には作業に集中でず、菊に関心を寄せることすら出来なくなります。母親が幼子を育てるように毎日目配り気配りをし、生育状態が思わしくない時にはその時々の対処が欠かせません。手をかければかけたほどに美人で大きく美しい花を咲かせてくれます。まさに栽培者の心身の健康な姿が菊に映し出されるものと思います。
 今年は三本立盆養・七本仕立て・だるま・福助・盆栽・懸崖・ドーム菊と全ての品種を230鉢ほど庭に所狭しと露地栽培してきました。8月22日には思いもよらない直径2〜3cmの大粒の雹に見舞われたり、開花前の10月13日には台風19号対策で全ての菊を家の中に移動させたりと様々な出来事がありましたが、何とかどれもおおむね応えてくれました。枚方・天童の菊花展でこれまでも様々な賞をいただいてきましたが、お陰さまで今年の菊花展で運とタイミングよく三本立盆養厚物の部で一席の「内閣総理大臣賞・天童市長賞」、他の部門でも各賞をいただくことが出来ました。一つの励みとしてうれしく思っています。
 これからも天童菊の会事務局そして山形県菊友会のメンバーとして、先ずは自身の健康を保ち、菊作りを通じて明るい社会づくり・地域文化振興にお役立ちできるよう努めてまいります。       (山形分会 佐藤会員)