第75回 河北美術展
会員入賞・入選作品紹介

 第75回を迎えた「河北美術展」は昨年の東日本大震災の影響で2年ぶりの開催となりましたが、日本画155点、洋画942点、彫刻38点の多数の応募があり、当松愛会東北支部からは高浜忠征会員、佐藤国勝会員、寺井淳也会員の3氏が洋画部門に応募されました。
いずれも入選作品に選ばれ、レベルの高さを示されましたが、中でも佐藤国勝会員の作品は洋画部門の入賞18作品の中に選ばれ「福島県知事賞」を受賞されました。


【佐藤国勝会員作品】



 タイトル  「復興の旗」  油彩 M80

 
福島県知事賞受賞

審査員講評 : 津波の跡の荒涼とした風景を端正に描いている。 心のざわめきは感じさせない。 非情な現実と静かに向き合っているようだ。 1本の旗から、復興の兆しを探そうとする思いが伝わる。



(佐藤国勝氏)
「河北展入賞の感想」 

 今回 7回目の出品で、入賞は初めてで大変感激しています。
昨年の震災後、テレビでは連日のように、「海の見えないところに仮設を」「もう津波は見たくない」という放映がなされています。私の頭の中は津波被害や原発事故のことばかりで、絵筆をとることもなく、空しく時が過ぎて行きました。
これは私だけではないようです。
 このような状況から抜け出さなければならない。 
現状を打破する為には、頭から離れない震災をテーマに絵にしよう。
書き終えれば次の絵に取り組めるのではと考え、今回のその思いの一端を絵にいたしました。
  これからも、その時の感動や、心ひかれるモチーフの内面を表現する絵を描いていきたいと考えています。
 





【高浜忠征会員作品】


タイトル  「雨あがり」  油彩 F80


審査員講評 : 手慣れた画面構成で、船を表現した作品の中ですぐれたものの一つ。




【寺井淳也会員作品】


タイトル  「雪の五大堂T」  油彩 F50


審査員講評 : 雪の雰囲気がでており、樹林の中の五大堂の屋根が美しく感じられる。