☆第41回  トヨタテクノミュージアム産業技術記念館訪問

動力機織り機械発明 そして トヨタ自動車として羽ばたいた地に
人間として 企業として 志しを極めた軌跡をたどる

〔 平成19年11月1日(木) 〕 参加者24名

今回は、このところ日本列島のなかで一番元気な地域といわれている中部の、それも今年の第一四半期でゼネラル・モータースを総販売数で上回り、事実上世界のトップになったトヨタのミュージアムを訪ねる。
 トヨタは発明王豊田佐吉が創始者。 子供の頃の絵本や教科書でお馴染みの偉人だが、往きの車中で、改めて佐吉の生涯を予備知識として振り返る

立志伝聞き入る車中や秋の旅 (◆)

生憎の雨模様。暑かった昨日までと打って変わった肌寒だが、久し振りのイベントで車内は熱気に沸いている。

談笑や刈田広がるバスの旅 (◆)

 およそ3時間のドライブで本日の昼食場所「ノリタケの森」に到着。
ノリタケの森 (◆)
ここは25回イベント、“陶磁器満喫の旅・ノリタケ&瀬戸市(H15.8.28)”で訪れた所。
昼食前にアウトレット店でショッピング レストラン キルン
【昼食】 


欧風創作料理の “レストラン キルン” でコース料理を頂く。

オードブル  *和風きのこのゼリー寄せ
            *さつまいものクリームスープ 
            *サーモンのタルタル *生ハムと柿のサラダ

   スープ       *さつまいものクリームスープ オードブル (◆)
   メイン     *海の幸カルトッチョ(白身魚、秋鮭、あさり、海老、ホタテなどの包み焼き)
   デザート      *アップルパイ *バニラアイス添え *季節のフルーツ(葡萄)

久し振りのフレンチ。 頃合いよく運ばれてくる料理に舌鼓。 料理毎にかわるノリタケ自慢の食器を観賞するのも味のうち。 卓上花を愛で、花活けの得も言われぬ美しさに関心が集まる。
 豊かなふくらみ、柔らかい白磁は藤田嗣治(つぐはる)の裸婦のイメージ。 持ち上げるとずっしりと重い。 据わりがいい。 卓上花器としての存在を静かに主張しているかのよう…。 食後、この花器を求めに行ったら17,000円もして手が出なかったとか。

卓上花 (◆)

【トヨタテクノミュージアム産業技術記念館】


5分ほどのバス移動で到着。 
 この記念館は、生産活動が高度化するに伴い、「モノづくり」を見る機会が少なくなっていることから、次代を担う若い人々に、「研究と創造」・「モノづくり」の大切さや、素晴らしさを理解してもらうため、トヨタ自動車創業者・豊田喜一郎の生誕100年を記念して、グループ発祥の地(旧豊田紡織本社工場跡)に1994年(平成6年) 6月11日、トヨタグループ13社が共同して設立したもの。
 甲子園グラウンド(14,700u)のおよそ3倍の広大な敷地(41,600u)である。 正面入口を入ると、エントランスロビー真ん中の巨大な「環状織機」が迎えてくれる。
 
早速、通りかかった人に頼んで、全員写真を撮ったが、見学の交渉中で一人(原さん)抜けたのが残念。

環状織機の前で記念撮影 (◇)

 今回の資料作成に参照した『子どもの伝記全集 豊田佐吉』に、戦後の「トヨタ中興の祖」と呼ばれた石田退三氏の解説が載っていたが、この環状織機について、「これこそ前人未踏の創案で、翁の天才的頭脳を物語るにふさわしい発明であった。」と畏敬の念を著している。


懇切な説明を受けながら見入る
環状織機 (◇)

タイミングよく稼動実演を観る。 確かに織られているが、横糸の動きは分からない。

 展示機は現存する唯一の完成機で、当館の理念、「創造と研究の精神」の象徴として展示されているもの。

 ありがたいことに、65歳以上の入場は無料。 「繊維機械館」から観ていく。
 ここは大正時代に建てられた紡績工場の建屋をそのまま使用したもので、約3,000uもの広い空間に紡ぐ・織る機械が約90台設置され、その迫力に圧倒される。 要所で説明しながら機械を操作してくれるので、構造・仕組が理解でき、織機の技術の進歩が分かる。


日本の産業近代化のさきがけ的発明
無停止杼換式豊田自動織機(G型)(1924年)

片手で織物が織れる 豊田式木製人力織機(1890年・複製)

この織機は、片手で筬(おさ)を前後させるだけで、自動的に横入れができるようにしたもので、バッタンつき高機(たかばた)よりも能率が4〜5割上がり、かつ織物品質も向上した。

豊田佐吉が環状織機とともに究極の発明目標に定め、1924年(大正13年)に世界で最初に発明・完成させた、無停止杼換(ひがえ)式豊田自動織機の第1号機。 50余件の発明にもとづき、営業的試運転を重ね、24の自動化、保護、安全装置で構成され、世界一の性能を発揮し、世界各国の繊維産業の発展に寄与した。

←環状織機の機構模型

 よこ糸を通すため、たて糸がどのようにして開閉するか、よこ糸はどのようにして、たて糸の間を走るか説明されている。

繊維機械館の最後に最新の織機を観る。


複雑な柄織物を織るためにジャカード装置を付けた 

豊田エアジェットルームJAT710-J型(2006年)

よこ糸挿入・よこ糸の選択・自動修復、ジャカード装置によるたて糸の開口、送り出し、巻き取りなどをコンピュータ制御している。
 対話型操作パネルは、操作の容易化の他に、メモリカードによる同一製織条件の多数台設定、モニタ機能による運転データの確認ができ、初心者でも高能率で高品質の織物を織ることができる優れものである。


 次の「自動車館」は、自動車製造技術と生産技術について、トヨタだけでなく世界の変遷がわかるように、広いスペースに整然と展示されている。 
 社員研修として、モノづくりの神髄に触れさせる狙いからか、新入社員らしき一団も訪れていた。

初期の自動車ボディ造り

 ここでは、「繊維機械館」のように運転しているものが少ないので、素人の興味を引き付けにくいが、エンジンをはじめ各機能や安全・環境対策など、自動車に関する全てのことが説明されているように思えた。

 
最後のコーナーで、最新の一人乗り自動車が展示されていた。

人とクルマの新しいかかわり方を
   テーマに開発したi-swing」→

 ボディには衝撃吸収する低反発ウレタンや布素材を一部に採用し、周囲の人に威圧感を与えない。 また街中を安全・安心に移動できる2輪走行、クルマと同じ道路を走る3輪走行の「2つのモード」に変化できる。 
 移動手段としてのクルマという領域を超えて、人の生活空間に溶け込む「i-swing」は、多彩な自己表現ができる、新しいパーソナルモビリティと謳っている。


 繊維機械館・自動車館と観てまわり、久し振りに製造現場での興奮が蘇ってきた。より良く、より安く…。 汗を流した頃がなつかしい。
未来車に命数えし秋の暮 (◆)

ここでの見学に3時間半もかけてしまったので、「陶磁器会館」や旧川上貞奴邸の「二葉館」は割愛し帰途につく。 
 糸紡ぎや手織り機に、「見たことある。お祖母ちゃんがやっていた!」と懐かしみ、「佐吉の発明織機に、 最新のコンピュータ織機に、 「凄い!凄い!」の連発。  驚嘆の声がこれほどあがったイベントも久し振り。 来てよかった。

健康と友あり至福の秋一日 (◆)
 雨上がるが、秋の日は釣瓶落とし。野も山も暮色。 行く秋も夜の帳に包まれ、ビデオを楽しみながら無事高槻に帰る。
短日やビデオで和むバスの帰路 (◆)
感動の一日でした。


俳句():桐山俊子 
写真(◇印):竹内一朗  (◆):桐山俊子  無印:永野晴朗
文:永野晴朗