第99回:特別行事  中山道・木曽路「馬籠宿〜妻籠宿」を歩く

2010年11月11日(木)  参加者88名



 「木曽路はすべて山の中である」  島崎藤村の「夜明け前」の冒頭の一節だ。
2年振りの特別行事は、晩秋の中山道・木曽路を馬籠宿(美濃国・岐阜県)から妻籠宿 (信濃国・長野県)まで、健やかににこやかに歩く。
11月11日(木) 快晴。7時半、初代会長の前中さん(傘寿)をはじめ、88名がバス2台に乗車。
ライティング社(高槻市)から馬籠宿へ向かう。バスの車長(しゃちょう)は、平さんと冨士永さん。
      


楽しみな旅行の始まり 大山崎ICより京滋バイパスへ

絶好の天気になりそうな中、輝く近江富士



まもなく車中は恒例の「白熱クイズ教室」と化す。 多様な分野の難問・奇問が出題されるが、解答は○×式。 要は実力よりも運次第。 それぞれのバスのベスト5名にささやかな景品が贈られる。


名神高速 新装なった 多賀SA 帰途のショッピングを楽しみに

イヨイヨ中央道へ入り 最後の休憩(内津峠PA)



バスが中津川ICより、木曽路馬籠宿を登り始めると一面紅葉

まさに馬籠宿は秋真っ盛り



バスの窓から見える冠雪のアルプスの山々が実に美しい。 馬籠館にてソバ・栗ご飯などの郷土料理に
舌づつみを打ちながら、懇談する。 3組に分かれて記念撮影を実施。
正午から仲尾会長を先頭に、馬籠宿(標高600m)から、馬籠峠(標高800m)までゆるやかな登り道を歩く。


「馬籠宿」は狭い尾根を縦走する中山道43番目の宿場

石垣を積上げ、勾配の大きい枡形を抜けると石畳が続く



石畳の両側に、屋号を表札に土産物屋が並んでいる

道中人の蕎麦を搗いたか 水車は今も廻る



この馬籠の庄屋に生まれた島崎藤村(1872〜1943)の「破戒」「若菜集」 「椰子の実」などを想起しながら、藤村記念館前を通り過ぎる。 馬籠脇本陣史料館にも 風格を感じる。


島崎 藤村(明治5年生まれ)は、詩人・小説家。信州木曾の馬籠生れ。
『文学界』に参加し、浪漫派詩人として『若菜集』などを出版。
さらに小説に転じ、『破戒』『春』などで代表的な自然主義作家となった。 ほかの作品に、日本自然主義文学の到達点とされる『家』、父をモデルとした歴史小説『夜明け前』など。

生家は代々、本陣や庄屋、問屋をつとめる地方名家であった。父の正樹は17代当主で国学者だった。
正樹は『夜明け前』の主人公青山半蔵のモデルで、藤村に与えた文学的影響は多大だった。



 古民家を眺め、木立の中や渓流沿いを歩く。 遠くに恵那山(2192m)を望む広場で小休止。 水車塚での黄葉・紅葉の絶景を喜々としてカメラに収める人々。 今井家邸宅、熊野神社を経て、馬籠峠に到着。 バスで移動してきた楽々組11名と合流。   


木曽山脈の最南端・恵那山と屏風山系をのぞむ展望台

昔ながらのこころのふるさと中山道を歩く



十返舎一九の狂歌碑付近は秋の風物詩・・・紅葉・紅葉ざかり

今井家住宅は、峠中腹にある国の重要文化財



水車塚は日本でも有数の高地にある水車である

きれいな色とりどりの歩きやすい路、自然歩道登録も近い



13時半、馬籠峠から妻籠宿(標高430m)まで下りの山道を歩く。 男滝(おだき)・女滝 (めだき)はスキップし、倉科祖霊社、石柱道標を経て、朴(ホオノキ)落葉を踏みしめて歩く。 童心に帰り、熊を追い払う鈴を高々と鳴らす。  


馬籠〜妻籠宿の中間にある庚申塚旅籠

男滝・女滝からの清流に沿って妻籠宿をめざす



樹林の中の路を大妻籠をめざす

日本風景街道にふさわしい宿場のおもかげがしのばれる



15時半、妻籠宿に到着。 真弓(まゆみ)の実が美しい。 真っ赤に熟した大群のピラカンサも鮮やかだ。 妻籠宿では買い物を楽しむ人が多い。  


大妻籠まで来れば、めざす妻籠宿はもうすぐ!!    

歴史のおもかげが色濃い『妻籠宿』



『妻籠宿』は中山道六十九次のうち江戸から数えて四十二番目となり、中山道と伊那道が交叉する交通の要衝として 古くからにぎわいをみせていました。
馬籠宿に比べて平坦地にあって、美しい街道空間を形成している。

妻籠宿『本陣』には、島崎家が任命され、明治に至るまで本陣・庄屋を 兼ね勤めました。島崎藤村の母の生家であった。
他に庶民の旅籠のおもかげを多く残している。



帰途2台のバスは、JR高槻駅付近で乗客の大半を降ろし、 19時半、ライティング社に到着し、
無事解散。
 ●「この参加費でここまでのサービスをしてくれて」と多くの方々に喜んで頂いた。
 ●7月15日の下見の帰途、恐怖のどしゃ降りの中、秋山さんのワゴンが健闘してくれた。
 ●自然と人を敬愛する北摂歩こう会の特別行事を楽しまれた88名の方々に感謝致します。  



中山道『馬籠宿』道標を背景に記念写真

高槻支部1:あ〜そ

高槻支部2:た〜

茨木摂津支部およびその他支部





      【世話役】 仲尾富三 辰巳寛康 平 英一  濱井信行 多田章子 秋山充久 岡村 肇
            田村 勲 河井 進 冨士永義文


      【 文 】 辰巳寛康

      【写 真】 仲尾富三 見城好豊

     【構 成】 冨士永義文