第96回  宇治十帖の古跡を巡る

2010年7月8日(木)  参加者84名

7月8 日(木)炎天下JR宇治駅前広場に84名が集う。




JR宇治駅前で、河井リーダーが説明

紫式部像と夢の浮橋より宇治橋を望む


 宇治十帖は源氏物語の最終章で、 川霧に煙る宇治川と山荘を舞台に光源氏の子薫君
(かおるのきみ)、孫の匂宮(におうのみや)と大君(おおいきみ)、中君(なかのきみ)、
浮舟の姫君達が織り成す悲恋の物語。
宇治十帖は宇治川をはさんで、西には光源氏の末裔の豪奢な宇治別荘が、東には隠遁する
宇治八宮(はちのみや)の閑寂な庵が配置され、此岸(しがん=この世)の雅(みやび)と
彼岸(あの世)の憂し(うし)が対比して描き出されている。
宇治橋西詰でいきなり作者の紫式部像と『夢浮橋』に出会う。
『橋姫』神社を経て、世界遺産の「平等院鳳凰堂」を上から眺めながら、藤原道長の子・藤原頼通が
欣求(ごんぐ)した西方極楽浄土 を想像する。
      


暗闇祭りで知られる「県神社」境内

炎天下県神社から宿木へ



 「県(あがた)神社」から『宿 木』(やどりぎ)へ。 滔々と流れる緑色の宇治川に感嘆する。
焼け付くような暑さに各自慎重に対応する姿がほほえましい。


『宿木』(やどりぎ)古跡−浮舟の登場を確認

「天ヶ瀬吊橋」を通って宇治川を渡る



 「天ヶ瀬吊橋」を通って宇治川を 渡り、緑したたる山道を 粛々と歩み、琴坂から「興聖寺」
(こうしょうじ)へ。


「天ヶ瀬吊橋」より緑したたる山道を粛々と歩む

「興聖寺」(こうしょうじ)庭園を鑑賞



  要所要所での冨士永さんのお話を楽しく拝聴する。中の島での宇治川先陣争い(佐々木高綱vs梶原景季)では一斉に拍手が沸く。 中の島の木陰のもとで昼食を摂り、歓談に興じる。
「宇治十帖モニュメント」前で記念撮影。「宇治神社」『早蕨』(さわらび)を経て、世界遺産の「宇治上神社」の拝殿と本殿に 神妙に参拝。
「与謝野晶子歌碑」『総角』(あげまき)から源氏物語ミュージアムへ。寝殿造りとガラスの回廊を鑑賞。 『蜻蛉』(かげろう)『手習』『椎本』(しいがもと)『東屋』(あづまや)を廻り、宇治橋を渡り、その西詰にて解散。



中の島から「朝霧橋」を渡って宇治川東岸へ

平等院と並ぶ、世界遺産の「宇治上神社」



  尚、途中から「三室戸寺」(みむろとじ)へは、健脚の16名が軽やかに登り切り、恭しく参拝。 境内の鐘楼脇に『浮舟』の古跡が佇(たたず)む。境内一面に咲き誇るあじさいも見事だが、 極楽浄土を連想させる蓮の花が格別美しい。


「三室戸寺」(みむろとじ)極楽浄土を連想させる蓮の花が盛 り



  帰途の車中にて。「実は、薫君は光源氏の友人の息子の柏木と妻の女三の宮の子なんだね」 「そう。出生の秘密を老女から聞かされるんです」「薫君と匂宮の狭間で悩み、宇治川に 入水して奇跡的に僧に助けられた浮舟の居所を知り、薫君が会いたいと使者を出すのに 拒絶されるんですね」
「その時、薫君はかつて自分も宇治に浮舟を隠したように、小野に 誰かにかくまわれているのかと思い巡らすわけです」「人の世の移ろいと儚さですね」 「源氏物語は虚実をないまぜにして創作されており、特に心理描写に優れた小説と 評されています」。出発前の事前説明のように、皆さん宇治十帖に浸りきっていただけたようです。 「道中、暑くて暑くて。本場の宇治金時(氷)がおいしかったね」 帰途は多くの会員が、平安時代の貴族が味わった氷を楽しんだようです。



宇治十帖モニュメント前で記念写真

茨木摂津支部およびその他支部

高槻支部(2)

高槻支部(1)





     【世話役】 河井進 浜井信行 冨士永 義文

     【 文 】 辰巳寛康

     【写  真】 仲尾富三 見城好豊

     【構 成】 冨士永義文