印旛沼や手賀沼(千葉県)の岸辺などで、特定外来生物に指定されている南米原産の水草「ナガエツルノゲイトウ」が異常繁殖している。環境保護団体や漁協など23団体でつくる「美しい手賀沼を愛する市民の連合会」(八鍬雅子会長)は、根元からの引き抜き作業や遮光シートを敷くなどの対策を講じてきたが、駆除は追いついていないのが現状だ。
岸辺に根を張りながら徐々に沼の内側方向に繁殖域を広げるナガエツルノゲイトウは、台風などで増水すると大きな塊となって離岸。連合会によると、長雨の際には我孫子市側のボート乗り場に塊が漂着し、営業できない状態となった。沼の東側にある排水機場のポンプ場前のブイや、手賀沼水系の亀成川の取水堰(せき)で引っかかり、計約930キロを除去した。
連合会によると、現在は手賀沼(上沼)の岸の半分にあたる約10キロにわたって広がり、釣り人も自分で刈りとって場所を確保しているという。「いずれ排水機場を塞いで洪水を引き起こしたり、手賀沼の水を引く水田で繁殖して、農機具の故障などを招く可能性がある」と懸念している。