2014年2月7日

 糖尿病について

アドバイザー 鴨井一子

   *増え続ける糖尿病
  厚生労働省が5年に1度実施する国民健康・栄養調査によると、平成19年度は「糖尿病が強く 
 疑われる人」「糖尿病の可能性を否定できない人」を合わせた数が2200万人を超え、40歳
 以上の男性に絞ると3人に一人が糖尿病か、その予備軍であるという結果になりました。

   *まずは、健康診断で血液検査を!  
 「糖尿病は」血液中のブドウ糖(血糖)の量が、通常よりも多い状態が続く病気です。
 ブドウ糖の血中濃度を示す「血糖値」が高くなっても、特に自覚症状はありません。しかし、この
 状態を放置し続けると、やがてさまざまな合併症が現れるため、早期に発見、適切に治療する必要
 があります。
 血糖の状態は血液検査でわかります。早期発見にはまず健康診断を受けることが大切です。

   *血糖値って何のこと?
 血液中に含まれるブドウ糖の濃度のこと
  ブドウ糖は、脳や筋肉などが働くためのエネルギー源となるもので、血液によって、全身に送ら
 れています。そのブドウ糖の血中濃度が「血糖値」です。血糖値は、食事や活動状況によって大き
 く変動します。血糖値の変動の仕方は、大きく三タイプに分けられます。
  ・健康な人は血糖値の変動が一定の範囲内に収まる
  ・食後の血糖値だけが健康な人より高くなる
  ・血糖値が高い値で推移し下がらない
 変動する血糖値の調節の鍵を握っているのが「インスリン」というホルモンです。

   *インスリンって何のこと?
血糖値を下げる唯一のホルモン
  血液中のブドウ糖(血糖)濃度を調節しているのが、すい臓から分泌される「インスリン」です。
 インスリンは血糖値を下げる唯一のホルモンです。
 食後に血糖が上がらないように調節しています。それに血液中のブドウ糖を体の細胞に送り込んで、
 活動エネルギーに変えたり、脂肪やグリコーゲンに変えて、エネルギーとして蓄えておきます。
 こうしたブドウ糖の代謝に欠かせないのがインスリンです。
 食事で炭水化物(糖質)をとると血液中のブドウ糖の量が増えます。健康な人では、ブドウ糖の
 量に見合ったインスリンが、速やかに分泌され血糖が処理されるため、食後に上がった血糖もや
 がて下がっていくのです。


                 なぜインスリンがうまく働かないの? 

体質や肥満などが原因
  糖尿病があると、血糖値の調節がうまくいかず血糖値が上がります。日本では糖尿病全体の2
 ~5%を占める「1型糖尿病」はすい臓のβ細胞というインスリンを作る細胞が破壊され、
 体の中のインスリンの量が絶対的に足りなくなっておこります。
 糖尿病のほとんどは生活習慣がかかわる「2型糖尿病」です。
  原因は大きく二つに分けられます。インスリンの出る量が少なくなって起こるものと肥満に
 よってインスリンの働きが悪くなるインスリン作用障害です。
 糖尿病の95%以上がこのタイプです。

  糖尿病の予防法?
 肥満を防ぐことが最大のポイント
  肥満を防ぐことは、いろんな生活習慣病を防ぐことにもつながります。そのためには食事と
 運動のバランスが大切です。
 食べ過ぎないことと、普段の食事でこんなことに気をつけましょう。
  食事の工夫
  ・野菜はたっぷりとる                                  
  ・甘いものや脂っぽいものは食べ過ぎない    
  ・一人分ずつ、取り分けて食べよう
  ・薄味にしよう
  ・多いときは残そう
  ・お茶碗は小ぶりのものを  
  ・調味料はかけずにつける  
  ・食品のエネルギーを知ろう  
  運動の工夫
  ・外出するとき、少しだけ早めに歩   
  ・遠回りして歩く距離を増やす
  ・三階までなら階段を使う
  ・テレビを見ながら、ストレッチをする
  ・買いだめせずにこまめに行く

糖尿病は早期発見・早期治療がカギ



定期的な健診を受けて早期発見に努めましょう!!