現在は、親や自分の仕事や転勤など理由は様々であるが生まれた土地以外で暮らす方も少なくない。さらにそう多くはないが国外で暮らす方もいる。
しかし、私は生まれてから自分の出生地以外で暮らしたことがない。いわば地元の生え抜きである。日本一大きい
淡水湖、琵琶湖そして学校の教科書にも出てくる比叡山に囲まれ、多くの名跡や自然豊かな地域に住んでいて、
つくづく良かったと感じている。
生え抜きであるからゆえ地域のことは大抵のことは知っていると思って今日まで生きてきた。
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ところがある日の散歩中、観光に来られた方から比叡山延暦寺の場所と行き方を尋ねられた。 生え抜きであるがゆ
え即答して当然であるはずが、その時は答えられなかった。「失礼なことをしてしまった」。自分ながらに恥ずかしい
思いを抱くと同時に「当然、知っている」と思っていたことの錯覚に気付いた。
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◆比叡山延暦寺 |
比叡山延暦寺は、766年(767年の説もある)に誕生した最澄が19歳で比叡山に籠り、788年に一乗止観院(現在の根本中堂の前進)という草庵を建立し、そこに薬師如来像を彫って本尊としたことが始まりである。
延暦寺の僧侶の中で一番の高い僧侶を天台座主と呼び、現在、第257世である。最澄入寂後、一番弟子であった第1世の修禪(しゅぜん)大師(だいし)義真(ぎしん)が大乗戒壇院を建立し、その後次々と弟子たちが大講堂、阿弥陀堂、横川中堂など多くの堂塔を建立し、東塔、西塔、横川の3エリア総面積1700㌶の広大な山中に100とも150ともいわれる多くの堂塔ある。
いわゆる元亀の法難といって1571年、信長によって全山を焼かれるが、その後徳川家光等よってよみがえった。
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根本中堂
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