日曜大工 「ピザ窯つくり」     
 
甲賀市 藤原誠さん      
       
 
◆趣味の紹介
 子供のころから「モノづくり」に興味があり、そして
自分で作ることが好きでした。

 今、大抵の欲しいものは製品として売られており、機能や性能も申し分のないもので自作では到底達成できないレベルになっています。
それに比べて自作したものは不完全で、機能、性能、安全性、操作性、見栄えでかなわず、そして価格も購入するよりも高くなることが往々にあります。

 でも、何故か?自分で作りたくなる。
 今回、手作りしたもので家族からある程度理解して
もらえた「ピザ窯」を紹介させていただきます。

 

 
◆準備
 今回はネットで情報入手できた。難易度や性能を考慮すると今回作るピザ窯は、ドーム型またはカマボコ型の二つに絞られた。

 性能ではドーム型が一番で温度分布が均一になるようだが設置面積が大きくなる。また、強度を確保するには施工精度が必要とのことで自分の技量を考慮しカマボコ型に決定した。

 使用する「耐火煉瓦」の勉強のために、『青春18きっぷ』で岡山県の三石にある煉瓦工場まで行き、耐火煉瓦の製造工程(土の採取から焼成行程まで)を見せてもらった。特殊品は、今なお、人力が必要とのことで変に納得してしまった。
 実際のところ、ピザ窯レベルの温度(400~450℃)であれば耐火煉瓦はホームセンターで販売しているもので十分だ。しかしアーチ形状にするための煉瓦を入手、そして耐火煉瓦はどのようにして作られるのか知りたかったので訪問した。

 
◆窯のベース作り
ピザ窯の重量が500kgを超えるレベルとなるので鉄筋を入れてしっかりとしたものにする。
 


 
◆耐火煉瓦の手配
目地の寸法を考慮して煉瓦の種類、配置を実寸の型紙で確認しながら決めていく。
 


 
窯製作に着手
ピザを置く部分は、極力平らにするため大きめの煉瓦をならべる。
断熱と保温を考慮して二重構造とした。
 






 
◆かまぼこ型にするために型枠の製作
アーチ形状を滑らかにすることにより強度が確保できるので型枠もある程度の精度が必要。
一般的には型枠は燃やして取り除くが、今回は前面から分解して撤収できるようにした。
 








 
◆煉瓦をアーチ状に積み上げていく  
ピザ窯の温度は450℃レベルだが膨張、収縮を繰り返すので目地の寸法については一定になるよう
配慮して施工していく。目地のモルタルはもちろん耐火性のものを使用する。
 




 
◆煙突の取り付け
煙突は前面上部の位置でダンパーのあるものを選択した。
通常は使用することがないが、パンなど比較的低温(200~220℃)で使用するとき、少しでも長い時間この温度を保つために設けた。
煉瓦を積み上げた後、型枠を前面から取り除いている。
窯内部から煙突部分を撮影している。 この時、充填しているモルタルは乾燥とともにクラックが入っている。
 









 
 
◆背面、前面部分に着手 
 






 
◆窯の外装
 












 
◆試し焼き
煙突の排煙がスムーズに行われるのか?完成が待てずに確認に着手。
意外と上昇気流が煙突に向かって流れたので一安心。
 



 


 
◆完成
見た目をよくするためにタイルを張りつけて完成。
 









 
◆ピザ窯の使用状況
火を入れてから約1.5時間くらいで400~450℃に上昇し、2時間ほどしてからピザを焼き始めます。
ピザを焼き始めてから30分ほどの間は、ピザは2分前後で焼けます。職人さんが使用している窯と同じくらいかな?
1時間を経過すると窯の温度も下がり5分程度かかるようになります。
さらに1時間30分経過するとさらに温度が下がり、パンを焼いたり、鯛の塩釜などが調理できます。
2時間を経過すると人気の「焼き芋」がホコホコに焼け、これで打ち止めになります。
 
◆ピザ窯をつくった感想
 今まで いろんなものを手作りしてきましたが、家族から一番喜ばれました。
この窯で人の輪が広がっており、作って良かったです。
皆さんも、ぜひピザ窯を作ってみてはどうでしょうか??  情報提供しますよ!!!