東近江市 太田吉光さん
|
|
◆はじめに |
私は63才で再就職先を定年退職し、その年(2010年)から6年間、パナソニック松愛会の役員を務めました。 |
役員をやっている間に感じたのは、パナソニック松愛会の意義です。会の方針は『友愛』『親睦』『貢献』ですが、私は、その上にあるのが『会員と家族のQOL(Quality of Life・・・人生の質、生活の質)の向上』ではないかと思っています。そのために重要で大切なのは『健康寿命を長くすること』ではないかと思います。具体的には『運動の継続』と『病気の早期発見』が必要です。
もう一つの活動として『パナソニックのファンづくり』もしたいものです。これに関して言えば、滋賀支部ではプルタブを回収して車椅子を贈呈し、もう19台になっていることでパナソニックのファンが増えてくれているのではないでしょうか。
|
ここ数年で私と知人が経験した病気について、その早期発見方法(前兆を知る)などをお伝えして、皆様とご家族の健康寿命維持に役立てば幸いと思い、書いてみました。
|
ここに書く病名は「突発性難聴」「腰部脊柱管狭窄症」「不整脈」「脳梗塞」「パーキンソン病」です。
写真やイラストがなく、文章ばかりになりますが、お読みください。 |
|
◆突発性難聴
|
ある日、なんとなくテレビの音や会話が聞きづらくなりました(少しですが)。
そこで、耳たぶの内側を指でこすってみたところ、左の耳は「カシャカシャ」と聞こえるのに、右の耳は「カシャカシャ」が聞こえません。 かつて、突発性難聴は発病して10日以内に治療を始めないと完全に聞こえなくなると聞いたことがあったので、直ぐに耳鼻科を受診しました。
聴力検査のデータを見ると、左は正常なのに、右は、ある周波数以上の高い音が聞こえなくなっていました。
お医者さんは「10日間、1回2時間のステロイド点滴をします」「治ることがあります」とのこと。
「治ります」と言ってくれないのが不安でした。 点滴を開始してから3日ほどしたら、前のように聞こえるようになりました。
10日後に再度、聴力検査をしたところ、完全に前の状態に戻り「完治しました」と言われて終了です。
しかし、後日、右肩にひどい痛みがあり、検査したところ「肩の骨壊死」との診断です。
数か月で自然治癒しましたが、ステロイドの副作用のようでした。
【教訓】
「聞こえにくくなった」と思ったら、耳たぶの内側をこすり「シャカシャカ」が聞こえなかったら耳鼻科を受診する。この病気は高齢者に限らず、中高生でも発症します。お子さん、お孫さんにも気を付けましょう。
|
|
◆腰部脊柱管狭窄症(ようぶ せきちゅうかん きょうさくしょう) |
ゴルフをした翌日、右の腰から足先まで激痛がありました。
寝る時は、どんな姿勢をしても痛み感じ、座って寝るのが最も楽でした。また、歩くときは足をひきづっていました。
整形外科を受診し、X線を撮っての診断結果は「腰部脊柱管狭窄症」との診断でした。
治療は、まず、痛み止めに「神経ブロック注射」を週1回で、3回。
「プロスタグランジン」の点滴を週2回で、3週間。
あとは低周波治療とマッサージ、ウォーターベッドを週4回で、3週間です。
その間に「腰痛体操」をして、また、温泉にも数回行って「ジェットバス」に浸かりました。
幸いに、手術をすることもなく痛みがなくなり、ゴルフもできるまで回復しました。
問題は、その予兆です。 2~3年前から、直立もしくは前かがみの姿勢を続けると腰が「シクシク」と痛む状況が続きました。今、思えば、これが、その病気の前兆ではなかったかと思います。
一般には、この病気の前兆あるは症状は「間歇性跛行(かんけつせいはこう)」と言われています。これは、しばらく歩くと足に痛みやしびれを感じ、休むと収まることの繰り返しです。
ひどい場合は手術をしますが、それでも治らない人のことも良く聞きます。
【教訓】
歩行時、立ち作業・屈み作業がキツくなったら、整形外科を受診する。
|
|
◆不整脈・心房細動 |
10月の「会員だより」と同様に、私も2017年5月(70才)に「カテーテル・アブレーション(焼尽)」手術をしました。 元々、48歳の時に心不全の発作を起こしたことがあり、「不整脈」の自覚症状が時々ありました。
それが、2016年末(68才)の時、自動車運転中にひどい「立ちくらみ」症状で危険なことがあったのです。
自分で脈をとっても、正常な脈を10とすると、「8、8、8、6、4」ぐらいの弱さです。手で脈をとったら1分間70回でも、家庭用の血圧計で測ったら脈が40回と、40%は弱くてカウントしないぐらいです。、2回目の「立ちくらみ」の後でホームドクターに相談し、24時間心電図(ホルター心電図)検査をしたところ、「1日10万回の脈のうち、正常なのは60%です。すぐに手術をしましょう」とのこと。不整脈でも、脈が弱くなる「徐脈」の症状です。
京都大学医学部付属病院で約4時間、太腿からカテーテルを入れて焼く手術をしました。1週間で退院し、あと暫くは投薬で治療が続きます。
主治医の話では、手術をしないと、心不全や脳梗塞の危険が高いと言われました。
時々は、自分で脈をとって、弱かったらお医者さんに相談すべきでしょう。
手術を受けて感じたのは「医学の進歩で、症状の『見える化』が進み、精密で高度な治療が可能になった。こういう分野でも、我々がやってきた『技術』が応用されているんだな。」ということです。
【教訓】
脈が弱いと感じた時と、立ちくらみがした時には24時間心電図をとる。
|
|
◆脳梗塞 |
知人の例です。
69才の時、玄関でサンダルを履こうとしたら、足が真っすぐに出ず、履きにくかったので「脳梗塞」を疑い、すぐにホームドクターの診察を受けました。すぐに、救急車で大病院に搬送され、治療を受けて完治し、後遺症もありません。
「脳梗塞」の場合、発症して3時間以内に血栓溶解剤を使うなどの治療をしないと後遺症が残る等の障害が出ると言われています。
この病気の症状は色々とありますが、「ろれつが回らない」「言葉が出ない」「しびれる」「視野が狭くなる」などが多いようです。
元巨人軍の長嶋茂雄氏も同じ病気でしたが、予備知識がなかったために手当てが遅れて後遺症が残りました。
【教訓】
脳梗塞の初期症状を覚え、疑わしい時はすぐに治療を開始しなければならない。
|
|
◆パーキンソン病 |
知人の例です。
70才の時、年に2度ぐらいしか会わない娘に「お父さん、歩き方がおかしい」と言われて診察を受け、パーキンソン病であることが判りました。自覚症状としては、最初に「便秘」から始まり、あと、歩行困難などと進行しました。スポーツができなくなり、自転車にも乗れなくなりました。自動車の運転もできません。
安土の接骨士にマッサージをしてもらって、大分回復し、自転車に乗れるほどになりましたが、また進行しました。
【教訓】
便秘など体調の変化を年齢のせいにせず、ホームドクターに相談すること。
たまにしか合わない人が気づく変化に敏感になること。(自分から、「どこか変わった?」と聞くことも重要。
|
|
◆身内がかかった病気に敏感になる |
医学的には分かりませんが、親や兄弟がかかった病気は自分もかかる可能性が高いと考えて気を付けるべきではないでしょうか。
私と兄と両親のかかった病気について表にします。 (◎は死因です)
|
父 |
母 |
兄 |
私 |
脳梗塞 |
◎ |
|
〇 |
|
胃がん |
|
◎ |
〇 |
|
腰部脊柱管狭窄症 |
〇 |
|
|
〇 |
不整脈 |
〇 |
|
|
|
【教訓】
両親、兄弟姉妹のかかった病気にかかる可能性が高いと思って、その病気の前兆の知識を身に着け、注意しよう。 |
|
◆おわりに
|
老後もQOLの高い生活を送るには健康寿命を維持することが重要です。
それには、運動の継続、ストレスの回避などが求められますが、病気の早期発見・早期治療も重要です。
ここに書いたのは私自身と知人の体験をもとにした数種類の病気の「前兆」などです。
病気の前兆について学び、留意することが重要だと思います。
パナソニック松愛会の役員をしていたときに提言しながら実施できなかったことに「お医者さんによる『病気の前兆と見つけ方』講座を、年次総会の講演か健康講座でやる、ということがありました。
医学は年々進歩していますし、我々は聞いても忘れやすくなっています。できれば、4~5年ごとにでも、そのような講演・講座を開くことが会員と家族のQOLの向上につながるのではないでしょうか。
|