いつごろから音楽が趣味になったかはよく覚えていない。
小学生のころ、鉱石ラジオなるものがあり、当時はやりの通信販売で組み立てキットが購入でき、郵便為替なる手法で購入したのを覚えている。キットの中身は、ゲルマニウムダイオードにバリコン、アンテナにイヤホン程度で電池もついていない。電池もないのになぜ音が出るのか子供なりに不思議に思ったが、屋内ではほとんど雑音のみで、外に出てアンテナを伸ばすと、かすかにアナウンサーの声や音楽が聞こえた。
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中学生になると、家庭科の工作教室などもあり、多少の木工細工ができるようになった。
家にあった壊れたラジオのスピーカーを取り外し、10cm程度の四角い木の箱に入れ、スピーカーの中は吸音材が必要とか雑誌に書いてあったので、発泡スチロールを貼り付け、前面には細かい穴を多数開けてスピーカーの雰囲気を出し、黒色の塗装をして密閉スピーカーを製作した。ラジオのイヤホンジャックに接続すると驚くほど良い音がした。 |
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そんなある日、中学の音楽の先生から音楽教室に呼ばれた。「君は音程の聞き分けが良かったが、吹奏楽をやらないか・・」。それまで音楽に音程があることも認識せず、歌が一番苦手であったが、歌を歌わなくて良い理由が見つかったとクラリネットを担当することになった。しかしながら、育った場所は自然豊かな田舎の学校、トンボにクワガタ、カブト虫を追い駆け回し、練習もほどほど、万年のセカンドパートで、メロディーラインを吹いたことなど一度もなかった。 |
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そのような経緯で音楽の道に入り込むことになったが、大学生になってやっとレコードが買える小遣いが持てた。写真1が、大学生になって初めて買ったレコード。 |
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・ポールデスモンド(アルトサックス) 「サマータイム」 |
・ウェスモンゴメリー(エレキギター) 「ロードソング」 |
・ハービーマン(フルート) 「グローリー オブ ラブ」 |
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写真1
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写真2 |
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JAZZの分類の中では、イージーリスニングジャズと呼ばれるジャンルで、オーケストラのフルアレンジがバックに入っており、アドリブも完全に譜面化されているが、これがなかなか快適で気持ちが良い。
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その後は、大学生のお決まりのコース、薄暗い煙がもうもうと立ち込めるジャズ喫茶に入り浸りであった。このころは、学生運動も下火になったとは言え、まだまだ時代を変革する気概も高く、前衛的なアバンギャルド音楽やスピリチュアルな音楽が、「時代を先取りする学生のたしなみ」的な雰囲気であったが、私にはどうも合わなかったようである。 |
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写真2は、日本のジャズファンのほとんどが好きなミュージシャンにあげるアートペッパー。
JAZZの王者マイルスデイヴィスのリズムセクションとの共演「You'd Be So Nice To Come Home To」は、日本人好みの哀愁を漂わせた名曲であり、私のコレクションの筆頭でもある。2枚目の「モダンアート」は、幻の名盤復刻との宣伝で、即座に買ってしまった。 |
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・アートペッパー(アルトサックス) 「アートペッパー ミーツ ザ リズムセクション」 |
・アートペッパー(アルトサックス) 「モダンアート」 |
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写真3は、ほとんど聞かないが、いざという時の心のよりどころで、手放したくないレコードの筆頭。チックコリアの「ピアノ インプロビゼーションVol1&2」、アコースティックピアノで即興演奏されが、最初の曲「ヌーンソング」は、メロディーが最高に美しく癒されてしまう。3枚目は、エレクトリック・ジャズの黎明期を担ったチックコリアの名盤「リターン トゥ フォーエバー」。 |
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・チックコリア(ピアノ) 「ピアノ インプロビゼーションVOL1」 |
・チックコリア(ピアノ) 「ピアノ インプロビゼーションVOL2」 |
・チックコリア(電子ピアノ) 「リターン トゥ フォーエバー」 |
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写真3 |
写真4
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写真4は、スペインの代表音楽「アランフェス協奏曲」をテーマにしたジャズレコード。私も含め日本人はエキゾチックなスペイン音楽が好みと思っていたら、世界のミュージシャンも好みのようで、多数の有名ジャズミュージシャンが演奏している。特に、チックコリアの「スペイン」は、皆さんも聞いたことがあると思う。
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・チックコリア(電子ピアノ) 「ライト アズ ア フェザー」 (「スペイン」を含む) |
・マイルスデイヴィス(トランペット) 「スケッチ オブ スペイン」 |
・ジムホール(エレキギター) 「アランフェス協奏曲」 |
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その他多数のレコードをほとんど学生時代に集めてしまっている。今思えば、若いころのエネルギーに驚いてしまう。 |
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定年後は、ジャズファンの夢であるマッキントッシュのアンプにJBLのスピーカーをつないで、大音響ジャズ三昧を楽しもうと、わくわく心待ちにしていたのだが、マッキントッシュアンプの価格やJBLスピーカーの重量は、現実の世界には耐えられず、大音量は近所迷惑と家庭でひんしゅくを買う私も含めて、松愛会滋賀支部のジャズファンの皆さんへお奨めがあります。 |
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滋賀支部の先輩、高島義彦オーナーが、琵琶湖の景色も良い観光地・近江舞子に、マッキントッシュとJBLでJAZZを聞かせるカフェ「リールフラン」を開店しています。ここで聞くJBLの低音は、まさに空気の振動、これぞ憧れのジャズの世界です。お客さんが少ない時は、リクエストに持参CDも掛けてくれますし、旨いコーヒーに高島オーナーとのジャズ談義もなかなかの楽しみです、皆さん一緒に行きませんか。
以 上
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