中国の名山 黄山へ 



現役のころ上海の合弁会社の社員から黄山の素晴らしいことを何度となく聞かされ機会があれば是非行ってみたいと思っていた。
4年前から毎年ツアーに申し込みするものの、都合により2回キャンセル、2回は満席でキャンセル待ちとなかなか実現しなかったがやっと4年越しの念願が叶い10月末に行ってきた。 

黄山は安徽省にある、中国一の名山と称される山で、中国人なら一度は登りたい山と言われている。標高は約1,900mでそれほど高い山ではない。

黄山は黄色い山ではなく、中国では黄の色は一番位の高いことを意味し、神の色とか権力とかの象徴であり、黄河、黄龍、黄帝等との表現が多い。

 
 1990年にユネスコにより世界自然文化遺産に指定されている。
「自然遺産」と「文化遺産」の双方の指定を受けているのも珍しい。
単なる自然だけではなく、漢詩や水墨画の文化対象としても親しまれて来た価値が認められている。
黄山は上海の西450kmに位置する。


今回のツアーは、関西空港→杭州市→黄山市屯渓区(黄山山麓泊)→
黄山(山頂泊)→杭州市(泊)の3泊4日の旅であった。

1日目は杭州観光後、黄山市屯渓のホテルに一泊。

2日目朝8:30ホテルをバスで出発しロープウェイ乗り場まで約1時間。
黄山のロープウェイは4本あるが今回は雲谷寺ロープウェイを使う

全長2,666m、高低差775mを約9分で1時間2,000名を運ぶロープウェイは
ハイシーズンには数時間待ちとなることもあるというが、今は待ち時間も
なく、順調に山上白鵝峰駅へ。

ここから標高1,680mの「始信峰」、経由して約1Kmを600段の石段をアップダウンしながら数多くの奇岩とそこに生える様々な形の松を眺めながら
ホテルへ向かう。

天候は、残念ながら曇りであるが、霧もあり墨絵の世界にいるようでこれもまた良い景色である。

 
 
 
     

 
「始信峰」山頂


「黒虎松」


「筆掛岩」

 
 

「夢筆生花」

岩のてっぺんに松の木が生えている

途中重い荷物を運ぶ強力に何人にも出会う。山頂のホテルへ食べ物飲み物さらにはガスボンベまで運んでいた。
逆にホテルで発生した洗濯物などは運び下していた。 
 



 

ホテルは、ケ小平、江沢民などの要人も多く宿泊したという海抜1,630mにある1958年開業の老舗の三ツ星ホテル[北海賓館]。
外国人も多く見かけられ相当ににぎわっていた。(最近は特に韓国の人たちが多いとのこと)

ホテルにチェックインして昼食。昼食はキノコ料理をおいしくいただく。

昼食後一休み。

   北海賓館
休憩の後、荷物を置いて黄山の中で2番目の高さの光明頂へ向かう。(14時30分発)

ホテルから「光明頂」(1,860m)までは急な石段を約1,000段。

歩行が苦手な人は「籠」で登る。「籠」は3時間コースで1,200元(日本円で16,000円)



頂上に着いた頃から霧雨に見舞われ雨具を着けて、[飛来石]へ向かう。

途中素晴らしい雲海にであう。水墨画の世界。 

 
「飛来石」はインドから飛んできたという奇岩。この岩に

願い事を言いながら三回さわると願いがかねえられると

言われ、多くの人でにぎわっていた。
 

ここから一気に下り夕日のビューポイント「排雲亭」へ。残念ながら太陽は雲の中で夕日は見られず。 



排雲亭からの眺め

排雲亭」から「北海賓館」まではアップダウンの石段を300段、約1Km。

ホテル到着17時30分。
本日の歩行約8Km、2,500段の石段。

夕食は、山菜料理で 紹興酒(160元)をいただき早目の就寝。

 

3日目の朝6時出発でご来光を見るため「清涼台」へ。

残念ながら太陽は見られないが大勢の人で足の踏み場も
ないほど。

黄山でご来光が拝めるのは年間で80日とのことで
あきらめもつく。

朝食後、登ってきたロープウェイで下山。

バスで杭州へ。

杭州で一泊関空へ。

 
あいにくの天候であったが、大した雨でもなく墨絵のような日本ではなかなか味わえない景色を楽しめた
2日間であった。
 
   2011年11月

 草  津  市 

才 野 嘉 昭