私の趣味  〜 旅 行 〜
私の定年後の楽しみの一つは旅行です。旅行の楽しみは日常生活からの脱出です。
単調な生活の刺激剤といえるでしょう。人生をより楽しく豊かにするために旅行があると思っています。

訪問先の自然、歴史、文化との出合い、そして人との触れ合い。
見たい、知りたい、触れたいという好奇心は尽きません。

海外旅行で印象に残った魅力的な町のうち、定番観光地ではない2つの町を紹介します。
それは、スペインの「セゴビア」と「アビラ」です。
どちらの町も首都のマドリードから100キロ圏の高地にあり寒暖の差が激しいところです。


(T)セゴビア

  スペイン王国の前身15世紀カスティーリア王国の中心地として栄えた町です。
  マドリードから高速列車AVANTに乗って30分ほどで到着。駅前は何もない殺風景な感じ、
  タクシーに乗ってセゴビアの象徴である水道橋へ移動。

【ローマ水道橋】
  2000年前古代ローマ時代に遠くの川から城に向かって水を流すための橋として建造された。
  全長813m。最も高いところが29m。167個のアーチの二層建て。巨大な石造りで圧倒される建造物。
  128の美しいアーチで構成。2万個以上の巨大な石を積み上げて作られ、石はセメントや漆喰などで
  接合されておらず、ただ積まれているだけ。ローマ帝国の土木技術の高さに驚く。
  19世紀末まで使われていたというからすごい。


    高い!見上げると圧倒される





   

   一方は坂道を上っていくと、水道橋は
   次第に低くなり途切れている    


石の重さとバランスだけで
出来た素晴らしい石組み
 







一方は城壁へつながっている

 
  水道橋から石畳の街路を城内(旧市街)に向かって上って行くと、土産物屋が並び、カラフルな家や漆喰の
  絵模様のある壁の家が現れる。そして「カテドラル」(大聖堂)に着く。
 【カテドラル(大聖堂)】
大聖堂の貴婦人と呼ばれ外観が美しい。

16〜18世紀にかけて建築されたスペイン

最後のゴシック寺院。

カテドラル横の狭い石畳みの道を下っていくと、

城内の端の「アルカーサル」(城)にたどり着く。

【アルカーサル(城)】
  ディズニー映画「白雪姫」に登場する城のモデルになった中世カスティーリア王の城。
  二つの川の交わるところ、切り立つ岩の上にそびえたっている天然の要塞ともいえる立地。
  18C中頃には城の中に王立砲兵学校がおかれ、空から偵察するために熱気球が研究されたとか。


  おとぎ話に出てくるような美しい城。
  背後に崖、前面に堀がある。    
  特長的な模様のある城壁と尖塔。  

       豪華な天井装飾施した広間には
       武具などが展示されている。 
  塔の中は狭くて急な螺旋階段があり、途中で下りの小学生の一団と出会い、すれ違うのに苦労したが、
  城の最上部に出ると、周辺の丘陵に点在する建物や自然を眼下に見ることができ、疲れも吹き飛ぶ。 


    塔の上から旧市街を望む。
    カテドラルが見える。  


反対側は荒野が広がる。
セゴビアからアビラまで路線バスで1時間。

切符はペラペラの小さな紙きれで、その一部を手で

破って切符確認するので・・・

アビラのバス停に到着後、そこから徒歩で新市街地を
通って城壁へ向かう。
(U)アビラ

  旧市街は全体が「万里の長城」のような石垣の城壁で囲まれ、中世の城砦都市がそのまま残っているという
  印象。聖女テレサの町としても有名
【アルカーサル門】

  巨大な高さ20mの石の大きな門。

  2つの円柱と大きなアーチからなり

  重量感がある。

  ここから城壁内(旧市街)に入る。
【カテドラル】

  アルカーサル門をくぐるとすぐに見える。

  11〜16世紀に建てられた教会は、ロマネスクと

  バロック様式で建物が城壁の一部になり、砦の

  役割を果たしている。

  堅牢で力強い外観だ。
【城 壁】
  
11世紀初頭にイスラム教徒の侵入を防ぐためキリスト教徒が築いた城壁。
  中世ヨーロッパの城壁で完全な形で町を取り囲んでいるのはここだけとか。


  城壁は高さ平均12m、幅3m、長さは
  2.5qもある。88の円筒形の見張り台と
  9つの門がある。         
 

  城壁の上には遊歩道があり、歩いてみるが
  距離が長くアップダウンもあって歩き疲れる。


城壁の上から見る、旧市街と城外の
乾いた大地の景観は素晴らしい。 
   

     アビラ駅         
     ここからマドリードへ戻る。
定年後は余り時間を制約されずに旅行が出来ます。
旅行をすると何か新しい発見や知識や感動を持って帰って来られます。ボケ防止にもなります。
そして、思いがけないところで思いもよらないことに出会います。

「思いがけない喜び」への期待感が旅行へと誘います。
 
 


2011年7月

(写真・文責)
 
   近江八幡市在住  中田 一夫