我が故郷の大本山
〜『成田山 新勝寺」を訪ねて〜
〜はじめに〜
 故郷の千葉県を離れてから早や、40年が経過。帰省時に必ず訪れる場所が、『成田山新勝寺」で、地元では「成田のお不動さま」の愛称で親しまれています。
 正月三が日には、約300万人(全国二位)の参拝客が訪れる全国有数の霊場です。
<成田山の開祖>
 成田山は、真言宗智山派の大本山です。開山の祖は、寛朝大僧正で、天慶3年(940年)に平将門の乱を鎮めるため、朱雀天皇の勅命により関東に下り、開山されています。
<成田山と歌舞伎の繋がり>
 成田山は、歌舞伎とも深い関わりがあり、初代の市川団十郎は子宝に恵まれず、成田山に祈願したところ、願いが叶って2代目を授かったのを大変喜び、屋号を「成田屋」にして現在に至っています。

成田山総門
 
【成田山総門】

 総欅造りの総門は、成田山の表玄関として荘厳な佇まいを見せており、門前町と成田山とを繋いでいます。
 全山の浄域を結界する総門の楼上には、「生まれ歳守り本尊」八体仏が奉安されています。

【仁王門】

 境内に入ると大きな赤い提灯のある仁王門が現れます。大提灯(800kg)は、寺門の守護の役目を果たしています。
 *天保2年(1831)に建立。国の指定重要文化財。


仁王門(上り口)

仁王門(下り口)
 
【大本堂】
 弘法大師によって敬刻開眼された不動明王を御本尊として、成田山で最も重要な御護摩祈祷を行う道場です。
 *昭和43年(1968)建立。国の重要文化財。

大本堂(正面)

大本堂(側面)
 
【釈迦堂】
 堂の周囲には五百羅漢や二十四孝の彫刻が嵌め込まれており、江戸時代後期の特色を現したお堂です。
 *安政5年(1858)建立。

釈迦堂(正面)

釈迦堂(側面)
 
【光明堂】
【額堂】
本尊として真言密教の教主である
 大日如来が奉安されています。
 *元禄14年(1701)建立。
額堂は、奉納額や絵馬などを掲げる
 建築物で庶民信仰を現す建築物です。
 *文久元年(1861)建立。国の重要文化財。

光明堂

額堂
   
【平和大塔】

平和大堂
金剛殿には、五智如来が奉安されています。
 地下には落慶記念(1984年)時に各国の
 元首から寄せられた「平和へのメッセージ」
 のタイムカプセルが埋められており、
西暦2434年に開封予定です。
 *昭和59年(1984)建立。
   
【聖徳太子堂】  
 聖徳太子の「和をもって貴しとなす」の理念に基づき、世界平和を願って建立されています。
 *平成4年(1992)建立。

聖徳太子堂

聖徳太子堂から三重塔を望む
   
【三重塔】  
 三重塔内には五智如来を奉安し、「十六羅漢」の彫刻がめぐらされています。
 *正徳2年(1712)建立。

三重塔

三重塔と大護摩
 
【成田山公園】
 自然景観に富んだ園内には、雄飛の滝、文殊・龍樹・龍智の池や書道美術館、茶室、浮御堂などがあります。

成田山公園(入り口)

成田山公園(公園内)

成田山公園(庭園)
 
〜おわりに〜
 地元に住んでいた時には何気なく見過ごしていた成田山ですが、関西に住んでからは、荘厳で神聖な場所である事を再認識すると共に、歴史の重みを実感しています。
 これからも、心の静寂さを取り戻す場所として帰省時には必ず訪れたいと考えています。
<境内見取り図>
【成田山新勝寺へのアクセス】


@東海道新幹線で東京へ(乗り換え)
AJR総武線で東京〜成田
B成田山新勝寺へは徒歩で約10分

(成田山新勝寺)
◇境内巡拝コース(約2時間)
 総門→仁王門→大本堂→釈迦堂→額堂→光明堂→
 平和大塔→公園→聖徳太子堂→三重塔→大師堂
 →総門

◇連絡先
 成田市成田1番地   TEL:0476-22-2111

2011年1月

 (資料提供)
   
   成田山新勝寺


 (取 材)
 
   大津市在住  堀井 好巳