学び ・ 自立 ・ 連帯

■ 滋賀県レイカディア大学を知っていますか ■


 
 はじめに...
 平成20年9月、レイカディア大学第29期園芸学科を何とか無事卒業。
 充実した、楽しかった、新しい体験の2年間の学生活動を紹介し、何らかのお役に立てればと思います。

◆私の入学動機について
 松下電器でお世話になった60歳を過ぎて、ネクスト・ステージをどう描き、どう自分らしく時を送れば良いのか、今一つハッキリと形が見えない生活の中で、公民館資料でレイカディア大学という文字を見たのが入学への大きなキッカケとなりました。
 1.今までの社会生活とは大きく違う、新たな人との出会いを通じて色んな生き方を学んでみたい。
 2.サラリーマン一辺倒だった生活スタイルから、生活基盤である地域活動にも仲間入りしてみたい。
 3.学びを通し、健康なシニアでありたい。
 4.与えられる、そして求める刺激を糧に、自らのQOLを少しでも高めて行きたい。
 こんな想いに対するぼんやりとした輪郭が形になりました。
 正直、不安やしんどそうそうやな、やっぱりやめとこかな、という気持との葛藤が何度かありましたが、とにかくどんなものか見てからや!の覚悟で願書を市役所に提出しました。
 応募者が募集人員を上回り(私の園芸学科は約3倍)ましたが、幸いに入校でき、平成18年10月に新学期を迎えました。

 1.レイカディア大学の紹介です。

1)レイカディア大学の創立趣旨
・レイカディアとは「レイク(湖)」と「アルカディア(古代ギリシヤの理想郷とされた地名)」を組み合わせた造語で「湖の理想郷」という意味を持つ。
・昭和53年7月に開校された滋賀県独自の社会福祉協議会が主体運営の大学です。
・この大学の設立趣旨は、人生80年時代を迎えて、すこやかで活力ある長寿社会を創造するためには高齢者自らが学び、持てる力を更に磨き、社会参加や地域づくりににおける担い手としての役割を果たすことが求められています。
 こうした時代ニーズの高まりに応えるため、新しい知識、教養と技術を身に付け、地域に登場できるよう支援するために設置された大学です。

2)レイカディア大学の概要
@草津校と米原校の2校が設置されています。
A学科別募集人員は(平成20年度)             単位:人

 
         学  科
入学定員
草津校
米原校
合 計
  園芸学科

30

25
55
  陶芸学科
25
-
25
  生活科学学科
25
20
45
  地域文化学科
20
15
35
  スポーツ・レクリェーション学科
20
20
40
  
120
80
200
 
     

B修業年限は2年間です。(10月スタート)
C授業形態は
 全学生が学ぶ「必修講座」と、学科単位で学ぶ「選択講座」があります。
 講座形式だけでなく、実習やワークショップ、フィールドワーク(現地調査)や地域活動体験、学習発表など多彩な方法を取り入れ、地域での活動に結びつく内容となっています。

D必須講座の概要
・人間理解、郷土理解、社会参加を学習領域とし、行政、経営者、大学教授、NPO、ボランティア、地場産業等など、極めて幅広い講師陣による講義を、1年間の学習で132時間程度受講します。
・今迄まったく無知であったもの、間違った理解をしていたもの、本当に頑張っておられる方、やってみたいこと、自分に合うもの合わないものなど、色々と新発見のできる講座です。
 無茶苦茶おもしろい、聞いて本当に良かったという講座もたくさんです。
E選択講座について
・専門的な知識、技術を学んで、少しでも地域活動に役立てる力を養います。
 学科別には次のような内容で学習します。
・1年間の学習時間は88時間程度です(必須と合わせると220H/年の学習)
 
学 科
主な学習内容
  園芸学科
庭木、果樹作り方、土壌、施肥管理、剪定、寄せ植え他
  陶芸学科

作陶、素焼き、本焼き、陶芸の科学、歴史他

  生活科学学科
衣食住生活、調理実習、介護、福祉、環境他
  地域文化学科 近江の歴史、文学、文化、自然、伝承技法、まちづくり他
  スポーツ・レクリェーション学科 ニューススポーツ、救急法、創作ダンス、室内ゲーム他
 どれだけ知識、技能を身につけれるか、どれだけ個性を発揮できるか、頭を絞りながら、なれない道具を使いながら、受験生同志ワイワイ言いながら、苦労の中にも嬉しさや達成感を味わいながらの授業でした。
 
Fユニークで特異性ある学習について
・必須、選択講座以外に楽しく、苦労のしがいがある、想い出や記憶に残る学習・行事が他にいっぱいあります。

  <主な内容の紹介です>
・特に思い出として残っている講話に、比叡山延暦寺で「千日回峰行」「十万枚護摩供」を成し遂げられた 天台宗僧侶上原行照大阿闍梨の有難いお話がありました。
・修学旅行にも行きました。 60歳を過ぎてからの修学旅行、学生時とは当然趣も違いますが青春の一ページという言葉が当てはまる 楽しい楽しい旅行でもありました。

・他にも全学生対象の体験発表や学習成果発表会、ニューススポーツ大会等々、書き出せばキリがないほど の学習です。

・ボランティア活動においては、各学科、学習に合わせた活動が積極的に展開されています。
 私たち園芸科のクラスでは県文化公園ゾーン「風の森音」、守山「地球市民の森」を主体とする森林、公園、緑化活動を毎月実施しています。
・また、学習を離れたクラブ・同好会活動(グラウンドゴルフ、書道、自彊術、卓球、フォト・ウォーク、ダンス、篆刻、詩吟)も幅広い仲間づくりに大いに役立つと思います。
G卒業後の仲間と同窓会組織について
 勿論のこと在学中だけでなく、卒業後も一つの出会いで始まった関係を、末永い大切なものに、との考えからクラスとしての定期的集いを開催し、親睦交流を進めています。
 また、学校としての同窓会組織もあり、志同じくする仲間が卒業年次を超え、学校全体活動と地域別支部活動を 展開し、親睦を深めています。

 2.レイカディア大学での学びを振り返って。

 少々の不安を抱えながらスタートした2年間の大学生活は、自分にとってどうだったのか総括の意味を込めて 3つに要約してみました。

 1つは知識、技能の習得ができた。

  ・専門的技能というレベルには届かな
いまでも、基礎的技能の理解と実践が行えるようになった。
  今後、更にボランティア活動を中心に経験を積む中で、向上を図っていきたい。
  ・知識という点においては、今まで耳にしたり目にしたことが無かった学習が多くあり、本当に参考になった。

 2つめは違いを受け止める。
  ・考え方、経歴、年齢、特技など全て違う生徒の集まりである。
   正直、戸惑いや腹立たしさという感情を味合うこともあった。
   しかし結論として、枠に縛られている自分を変えないと、違いを当然の事として受け止めることはできない。
  ・同じ会社の人間同志でさえ、色々とあるではないか、違いがあって当たり前、お互いを認め合うという考えでの2年間であっ  た。
  ・松下という枠から飛び出すことの大切さを実感する事が出来た。

 3つめは無償の大切さである。
  ・ボランティア活動経験の無かった自分が、レイカディア大学入校により、体験する事が出来た。
  ・対価を求めない無償活動ゆえに、自主性を持った活動参加となれたと思う。

 私たちが、ややもすると忘れがちな大切な琴線に触れることが出来たと考えています。

 3.松愛会滋賀支部会員の皆さんへ。

    記述しきれないものが他にたくさんありますがレイカディア大学とは「どんなものなのか」を紹介して来ました。
    大学卒業生には松愛会会員の方が多くおられるようです。
    どうでしょうか?元気と楽しみと生きがいを求めて、違った世界に飛び込んでみては。
    素敵な出会いがきっと待っていると確信しています。
 

     レイカディア大学概要

          草津校  住所 草津市笠山7丁目8−138(滋賀県立長寿社会福祉センター内)
               電話 077−567−3901

          米原校  住所 米原市下多良2−137  (滋賀県文化産業交流会館内)
               電話 0749−52−5110

          入学申込 入学願書を各市町高齢者福祉担当課窓口に提出(6〜7月)
          入学資格 県内居住で60歳以上75歳未満の方
          授業料  年額25,000円(H20年7月現在)

          アドレス http//www.e-biwako.jp びわこシニアネットでレイカディア大学情報掲載

                            

                           2008年12月

                              写真・文   草津市在住  有本 功