「私のぶらり旅行ー熊本編」
大津市在住 足立 隆夫

     
私は小さい頃から、旅行が好きであちこちと出かけている。
      何が目的で行くのかと聞かれても、ただ好きなのである。
      今も仕事で月の半分くらいは熊本での生活である。
      仕事で行くのだから気が重いとかそういうわけではなく、毎回ちょこっと
     旅行に行ってくるといった感じで出かけるのである。
      その熊本で時間を見つけてはぶらぶらしたときの内容をまとめてみた。
1. 熊本城
 ◆熊本では何と言っても熊本城が有名である。 現在、築城400年祭で大賑わいをしている。 天守閣にある鯱鉾に亀裂が
  見つかり、今年修復され3月に完了したとのこと。
  私が訪れた時は3層より上は工事中で見学することができなかった。 しかし、入場料は500円のところ300円で済んだ。
  (写真左下は工事中の天守閣)
 ◆右下の写真は修復後の天守閣である。 昭和35(1960)年鉄筋コンクリート造りで外観復元された大天守と小天守。
   再建は、古写真や絵地図をもとに瓦の列や枚数など細部まで忠実に行われ 大天守は3階6層で地下1階、
   高さ約30m二層の千鳥破風の上に唐破を備え、外壁は各界の軒下部分だけに白壁を配した以外は黒の下見板で
   囲われ、品格ある重厚な趣を漂わせている。

 

  もう一つの見ものは復元された本丸御殿である。
 築城400年にあわせて再建されたものであるがその中
でも“照君之間” の襖絵は大変すばらしいものと聞いている。
 私が熊本の出張中にNHKテレビで放送されたのは私にとってタイミングが良かったが、私が訪れたときは建物は工事中であった。
  公開されるのは4月中旬からである。
 

 熊本城内には見るところがたくさんあるが、気に入ったところが見つかった。そこは梅林である。
 右の写真は場内の梅林からお城を撮影したものである。
 カメラアングルにもってこいの場所である。
 写真には出ていないが当日、この梅林で大勢の小学生の写生大会が開かれていて、いい写真を撮る場所を探すのに大変苦労した。
 さぞかし桜の咲く頃はもっと人が多いことだろうと思う。

 
 次のポイントは長堀と呼ばれるところである。
 熊本城の南を流れる坪井川に沿うように、平御櫓から馬具櫓まで、日本一長い堀建築遺構となる242,44mの長堀が現存している。
 春には、堀の内側から桜の花びらが堀越に川面に映し出される。
 夜にはライトアップされ、花見としては最高の場所である。

 

 天下一流と名を馳せた熊本城の石垣は「清正流石組」と呼ばれ、独特の弧を描く扇の勾配。
 加藤清正が近江國から率いてきた石工集団「穴太衆」が持つ特殊技術を駆使して造られた。

 写真右は「武者返しの石積」である。
 下は30度ほどのゆるやかさながら、上に向かうに従って角度を高め、天端では75度の絶壁に。(写真右側の石積)   その後、慶長10(1605)年頃に完成した積み方。
 出隅部に長石を積んでいく方法で、勾配も急です。
 しかし直線的ではなく、上法に反りがつけられている。(写真左側の石積)

2. 熊本城界隈
   @加藤清正像

   加藤清正の生まれは尾張國 豊臣秀吉とは同郷というだけでなく、血縁関係にあった。
  天正11(1583)年の賤ケ岳の戦では「七本槍」の一人に数えられて3千石を与えられている。
   そして、天正16(1558)年、肥後の統治に失敗した佐々成政の後を受け、小西行長とともに入国 肥後の北半分を
  領する大名になった。
   その後の関ヶ原の戦いでは東軍につき功績をあげ、54万石の大名になる。
   熊本城築城だけでなく、治山治水に尽力したことで、領民の厚い信頼を得ている。
    A熊本民謡“あんたがたどこさ”ゆかりの橋

 <あんたがたどこさ、くまもとさ・・・・>で始まる熊本民謡あんたがたどこさで有名な橋である。
  その名は船場橋(せんばばし)という。
 現在の橋をみる限り面影はないが、橋のたもとには碑が建っており、人が近づくとスピーカーから民謡が聞こえてくる。
 じっと立ち止まって聞いていると昔の様子が浮かんできてなつかしく思いださせる。
            ・熊本市内と繁華街
  

 熊本市内を走る市電である。
 現在、市電が走っている都市は少なくなっている。
 熊本市内を走る電車も古いタイプの市電もあれば写真のような新しいタイプの電車もあり、観光する者にとっては楽しい限りである。
 運賃はどこまで乗っても150円均一で便利な乗り物である。

 

 
 
 
           ・熊本市内と繁華街
 熊本市内で一番賑やかな場所 デパート、グルメ、アミューズメント、居酒屋、映画館、なんでもありのところ。
 私は日曜日に行ったので多くの人波で歩くのに苦労した。
 この場所はテレビ局の取材などに出くわすこともあり、あまりうろうろしていると写されてしまう事があるので要注意!
 
 さて、左の写真は何だと思いますか?
 ラーメン? チャンポン? いえ違います。
 名前は「大平燕」(たいぴーえん)と言います。
 熊本の人なら誰でも知っている。麺は春雨を使っており、あっさりした味でおいしい。
 私は出張する度に食べている。
 
 右の写真は「太平燕」で有名なお店である。
 お店の名前も『紅蘭亭』 そもそも太平燕は中国が発祥の地であるが、何故かこの熊本が有名である。
 ここまで有名にさせたのは熊本の女性ということだそうだ。
 熊本であればどこでも食べられる。
3. 熊本の名産品
 熊本にはいろいろな名産品がある。
 紙面の都合上全部を紹介することは無理なのでその中から有名なものをいくつかピックアップしていく。
   ◎焼 酎
 <米焼酎> 熊本で有名なのは何と言っても焼酎である 熊本の焼酎蔵のほとんどは県南部の人吉市と球磨郡を中心と
        した球磨川流域に分布している この球磨地方が熊本の焼酎のふるさとと言っていいだろう。
         球磨焼酎は米を原料とすることを大前提とした焼酎である 球磨焼酎もいろいろな飲み方があり、
       ストレート、水割り、お湯割り、オンザロック等があり、バリエーションが豊富である。
       これ以外に特別な飲み方もあり、ついつい飲む量が増えてしまうので、その辺はコントロールが必要!

 <芋焼酎>熊本の隣の鹿児島県で有名なのは芋焼酎である お米を原料とする球磨焼酎と違い、サツマイモを原料として
       醸造されるのが芋焼酎である 芋焼酎の原料として一般的に多く使われるのが「黄金千貫」と「ジョイホワイト」
       である サツマイモの名のルーツは薩摩であり、鹿児島県と宮崎県の南部が芋焼酎の本場となっている。
       飲み方については「球磨焼酎」のところでも述べたような色んな楽しみ方がある。
       最近の芋焼酎は昔と違って、独特のにおいはしなくなってきているので飲みやすい。
   ◎晩白柚(ばんぺいゆ)

 晩白柚は世界最大の柑橘類で大きいものになると円周は約65Cm、重さは3Kg以上になる果物である。
 グレープフルーツのようなジューシーな甘さと、南国的な爽やかな香り、そして、晩白柚はグレープフルーツのような苦みがないので食べやすい味わいが楽しめる。
 現在、八代地方のみならず、熊本県の代表的な特産品として定着してきている。

   ◎デコポン
 デコポンは不知火(しらぬい)と言われ、昭和47年に農林水産省果樹試験場口之津支場で清見オレンジにポンカンを交配して作られた品種で糖度は13度〜14度と高く、食味が良いことから広く普及してきました。
 皮はむき易く、果実の袋は非常に薄く、そのまま食べられる。  最近は全国どこでも見受けられるようになった。
   ◎塩トマト
 塩トマトは熊本県八代地域など土壌塩分濃度が高い干拓地などで栽培される
 特別栽培のトマトで、糖度が8度以上のものである。
 果実並みに甘くフルーツトマトの元祖であり、しっかりした歯ごたえと一般のフルーツトマトとは全く異なる味覚を持つ。
 塩トマトは海水のミネラル分がたっぷり含まれて甘く、酸味がある。
   ◎馬刺し
 馬刺しとは、馬の肉を薄く切り分けて生で食べる、料理のことである。
 熊本県における、いわれとしては、文禄・慶長の役当時に補給線を断たれ、食料が底をついた時、加藤清正がやむを得ず軍馬を食したのに始まり、帰国後、清正が領地肥後熊本に広めたという俗説がある。
4. 町で見つけたもの
 下の写真は新八代駅のロビーに掲げてある八代亜紀さんの絵である。
 ご存じのことと思いますが八代さんは熊本県八代(やつしろ)市のご出身です 芸名もそこから出ている訳です。
 絵の腕も相当なものと聞いています 今後新幹線が全線開通されれば、新八代駅で乗り降りされる人も多くなり、多くの人の目にとまる事となるでしょう。
   【最後に】
 出張の合間にうろうろと熊本を歩き回ってまとめたものですが、今回、紹介しましたものはその中のほんの一部に過ぎません。 今後も色々と歩き回って珍しいものを探しつつ、面白い写真も撮っていこうと考えております。
 (下の写真は“ぶらり旅行”中の筆者)