「中 国 の 世 界 遺 産」
草津市在住 西岡  壮
1993年以降、中国広州で5年余り2回に分けて勤務しました。その間に多くの素晴らしい中国人と接し、それ以降「中国大好き人間」になってしまいました。
最初に夢中になったのが「三国志」、それから宮城谷昌光の中国歴史小説、金庸の武侠小説、中国の歴史。
そして、中国語。何とか一人で中国旅行が出来るレベルになりたいと頑張っていますが、これはほぼ望み薄。
最後に中国名所観光。中国には世界遺産登録地が37ヶ所あります。(2007年現在) その内15ヶ所までは見学が済みました。感激、感動の連続です。
全てを制覇が目標ですがどうなるでしょう?
記憶をたどりながら整理をしました。中国ファンが一人でも増えれば幸いです。
         
1. 中国三大石窟
 彼らの発想は我われの常識を超えたところにある。規模の壮大さに圧倒され、投入された時間と労力、技能と芸術性、更に
 信仰心の深さなど素晴らしさを再認識させられた。
 @ 雲崗石窟(山西省)2005年5月

 上海から空路、太原へ、そこから車で大同市へ向かう。小麦畑、菜の花畑などが続く。万里の長城に近づく頃、大地には
 木々が少なくなり乾燥地帯に入る。後で判った事ですが北京から高速道路が出来ており、3時間余りで来られるそうです。
 大同市武周山の断壁に彫られた1Kmに及ぶ大石窟群。造営開始は北魏の時代(453年)、僧侶曇曜(ドンヨウ)によって
 造られた「曇曜五窟」が有名。最大の像は高さ16.8mの仏座像。現存する石窟は53窟、仏像の数、5万体を越える。
 我が国の飛鳥文化の源流がここにあると言われる。

 大同市は石炭の街で今も掘り続けられている。石仏にも石炭の粉塵が降り積もり黒ずんでいた。

 帰り道で不思議な寺に遭遇しました。
「懸空寺」恒山の絶壁、地上58mに岩に張り付くように
建てられたお寺(491年建立)。建物最上階の窓から人の姿が!
 
 A 敦煌・莫高窟(甘粛省)2005年10月

 上海から空路で敦煌へ。シルクロードのオアシス都市。無限の砂漠に圧倒される。
 莫高窟は千仏洞とも呼ばれ、南北1.6Km、上下5層の石窟が492個。壁画45,000u彩色塑像2400体。
 4世紀から  築造が始まり14世紀まで続く。
 想像を絶する規模と、高い芸術性、そして歴史上の重要性など、これぞ世界文化遺産である。砂漠化が進み遺産の風化
 が進んでいる。
 遺跡の内部は撮影禁止で残念ながらご紹介できません。現地で確認下さい。
 B 龍門石窟(河南省)2003年5月

 上海から空路、洛陽へ。そこから12Km離れた伊河の両岸に掘られた石窟寺院。
 石窟1352個、仏像約10万体、石碑3600を越える。
 492年北魏の孝文帝掘り始め、唐、宋など6代の王朝400年にわたって築造が続く。
 唐の女帝則天武后の命で作られた「廬舎那仏」。
 高さ17.14mと最大で、芸術価値も高く、顔の表情が豊かで落ち着いた雰囲気が漂います。私も魅せられてしまいました。

 時代の流れの中で遺産を壊した時代があり、鼻が欠けたり、首無しとか無惨な姿も見かけました。

2. 絶景中の絶景!!
 @ 黄山(安徽省)2006年5月

 上海から黄山空港へ。
 黄山の美は「奇松、奇石、雲海、温泉」と言われる。水墨画の世界。最高峰は蓮花で1840m。
 山道は石段が整備されており、その数4万段とか?
 歩いて登るも良し、ロープウェイで登るも良し。山頂にはホテルが何軒かあり一泊して、ご来光を拝む。
 A 九塞溝(四川省)2006年10月

 上海から西安、西安から九塞溝空港へ。この空港は標高3,500mの山の頂上に最近できた。
 ここは長さ40Kmに及ぶ谷地があり、チベット族の村が9つあった。名を九塞溝と呼ぶ。この谷間に108の湖があり、
 谷川、滝でつながり、夢の世界を繰り広げる。自然界にこんな素敵な色と、その組み合わせがあったのか?
 最高地の長海は海抜3000m。10月、紅葉の季節をお勧めします。

 

チベット族のおじさん。私と同年
 B 黄龍(四川省)2006年10月(Aの九塞溝とセット)

 ここは九塞溝と120Km離れている。途中4000m超の峠を越えて行く。
 10月の初めでしたが雪が降っていました。
 目的地には過去は長時間山道を歩いて登ったが、最近は長いロープウェイが出来、簡単にたどり着ける。
 鍾乳石で出来た棚田が黄色い龍がとぐろを巻いているように見える。
 エメラルドグリーンの水は見る角度によってさまざまに変化をする。
 C 麗江古城(雲南省)2002年9月

 広州から昆明、そして麗江空港へ。昆明、大理、麗江、シャングリラと続く雲南省の旅の一部分。
 シナ族と言う少数民族の古い町並みが完全保存されている。ナシ族には今も象形文字が生きている。
 村から標高5596mの玉龍雪山に向かう途中に標高3100mのゴルフ場がある。
 一度是非挑戦して、飛距離を試してみたいものだ。
 玉龍雪山に登る。何と、ロープウェイを乗り継いで標高4506mまで殆ど歩かずにたどり着ける。
 私の人生での最高到達地点が簡単に達成できた。 しかし、その後高山病に悩まされた。
3. 歴史を感じさせる世界
 @ 秦の始皇帝陵・兵馬俑(陜西省)1995年8月

 私が始めて観光旅行をしたのが西安でした。1995年当時、観光地などの入場料が外国人は中国人と比べて4倍ほど高
 かった。
 兵馬俑館に入場する時、中国人の友達の指示で中国人になりきって入場しようとしたら直ぐにばれてしまい、私は日本人
 だと再認識をしました。
 西安は今も明の時代の城壁に囲まれた歴史が息づいている街です。
 その中でも秦の始皇帝陵・兵馬俑が世界文化遺産に指定されています。
 中国を始めて統一した始皇帝の権力の絶大さを見ることが出来ます。
 A 蘇州古典園林(江蘇省)2007年8月

 上海から中国新幹線にはじめて乗って蘇州まで行きました。この街は今、急速に発展している代表都市です。ビル、工場
 住宅、高級別荘地、など等建設ラッシュ。別荘地を見るとこれが中国かと驚くばかりの超豪華さです。
 我が家に蘇州水郷の水彩画が掛かっています。
 今回の旅でこの絵の風景を探しましたが、同じような景色は沢山あり特定できませんでした。
 蘇州の古典庭園は宋、元、明、清とそれぞれの時代のそれぞれの風格を持っています。
 数多くの名園がありますが、今回は留園、拙政園、獅子林を見てきました。
 B マカオ歴史地区(マカオ)2003年2月など

 当時は香港から船でマカオへ行きましたが、今は関空からマカオ空港への直行便が出ています。
 マカオは今ではラスベガスを追い越した世界一のギャンブルの街ですが、
 ポルトガル領としての400年の歴史が残されています。
 聖ポール天主堂跡などが世界文化遺産として2005年登録されました。
4. 北京近郊の世界遺産(北京)1995年10月など
 「北京文化遺産5ヶ所の旅。24800円!!」など、多くのツアーが組まれています。国内旅行より安く楽しめます。
  気軽に行かれては如何でしょう? 中国が近くに感じられるようになると思います。

 @ 故宮

 A 頤和園

 B 天壇

 C 明清朝の皇帝陵

 D 万里の長城

故宮

頤和園

天壇

明清朝の皇帝陵

万里の長城
日本にとって中国は切り離す事の出来ない国です。中国にとっても同じです。
お互いに多くの誤解もあります。
お互いが理解を深め認め合った上で、これからの関係を構築すべきと思います。