【木の中の仏迎える鑿の技】
       
〜 仏 像 彫 刻 〜

草津市在住 卯ノ田 宏(宏源)

仏像との出会い
        43歳の5月に突然、心臓発作を起こし、以降3〜4年毎に入退院を繰り返す生活が続いています。
その合間に、母親を送るため平成元年5月から約2ヶ月で西国33ヶ所巡礼を休日毎に行い、「おいづる」に宝印をいただきに廻り、各寺の観音像に手を合わせました。
その時、心に響くものがあり観音像に強く惹かれました。
入門(弟子入り)
 
    平成2年5月に、先輩の紹介で松久宗教芸術学院宇治支部の教室を見学させて頂き、即入門をお願いし許された。
先生は、昭和の大仏師と言われた、松久朋琳先生の末娘で、大変親切丁寧に教えて下さいます。
彫刻の心構え
       
       

1.基本を大切にする 2.一にも根、二にも根 3.気ままをしない

何回も何回も彫り直すうちに、仏像彫刻というものが、どれほど「心を和ませてくれるか」、それと同時に、自らの手で御仏を彫る喜びがわいて来ます。
しかし「拝める仏」は仏師でも何十年という体験を積まないと容易に「拝める仏」は彫れないそうです。大仏師の松久朋琳先生は「仏像彫刻は自己を仏に近づける道、自己と絶対をつなぐ行」と教えておられます。
「仏像を彫る」のではなく木の中におられる仏さんを、木屑をはらって「お迎え」する。先生自身それを悟られたのは、仏師生活60年を過ぎたころだったそうです。

   「木の中の仏迎える鑿の技」

私の作品
      今年の5月で仏像彫刻を始めて16年になります。まだまだ先達の域には達しませんが、今後、益々の精進を重ねて数多くの仏像を彫り、一人でも多くの人に私の拙い仏さんを喜んで貰ってくれる人があれば、奉造仏として贈呈していきたいと思います。
これまでの私の作品です。
 
  1.聖観世音菩薩
 これまでに「22体」彫り、知人、友人に奉造仏として贈呈「21体」
 

1作目 六寸
 

10作目 一尺三寸
 

21作目 一尺二寸
      2.立雛
 これまで「17体」彫り、娘、甥、姪の結婚祝い、友人の製作依頼「16体」
     

1作目 長女結婚祝い


5作目 家内に

 

15作目 友人の依頼に
        3.大日如来像
 これまでに「2体」 仏壇に納める仏像

2作目 自宅の仏壇に納める
      4.阿弥陀如来像(仏壇に納める仏像)
  これまでに友人の製作依頼に「2体」
5.救世観音像
 これまで「1体」の彫刻

1作目 友人宅の仏壇に納める

初めての仏像彫刻であり、記念に家内に贈呈
        6.大黒天
 これまでに「2体」
7.地紋彫り(文箱、硯箱、道具箱、その他)
 50数個を製作し知人、友人に贈呈


商売繁盛を願い、妹に贈呈



1作目 硯箱