「大津市内の史跡紹介」

【はじめに】
近くに住んでいるのに、ただ通り過ぎていた場所が有名な史跡であったり、何気なく通り過ぎている所に歴史上の
事件が発生した碑が残されていたり、住んでいる地域にこんなに史跡が残されているのかと驚くばかりですが、
その中でも、歴史に残る大津市内の史跡を紹介したいと思います。
◇最初に訪れた史跡は、近所に位置する「義仲寺」です。
【義仲寺】
	・この寺の創建については不詳だそうです。
	「義仲寺」の名は、源義仲（木曾義仲）を葬ったことに由来しています。
	・俳人松尾芭蕉はこの寺と湖南のひとびとを愛し、たびたび滞在したそうです。
	・大坂で亡くなった芭蕉ですが、遺志により義仲墓の横に葬られました。芭蕉の門人「島崎又玄」の句
	「木曽殿と背中合わせの寒かな」が有名です。
義仲寺　正面     義仲寺　入口   義仲寺　境内   「木曽義仲公」碑   参拝用　御賽銭     義仲寺　全景
＊「義仲寺」　所在場所：大津市馬場１-５-１２（最寄り駅　JR膳所駅　京阪膳所駅）
◇義仲寺の通りを真っ直ぐ大津駅方向に１５分歩くと、「大津事件の碑」があります。
【大津事件の碑】
	・滋賀県の大津で発生したことから、「大津事件」と呼ばれていますが、 ロシア帝国皇太子・ニコライ
	（後のニコライ２世）が、現在の大津市で、警備にあたっていた警察官・津田三蔵に突然斬りつけられ、負傷した
	事件です。
	・裁判の結果、津田三蔵は死刑を免れ「無期徒刑」となったそうですが、行政の干渉を受けながらも司法の独立を
	維持し、三権分立の意識を広めた近代日本法学史上重要な事件と言われています。
大津事件碑     大津事件解説
＊「大津事件の碑」　所在場所：大津市京町２丁目１１-２（最寄り駅　京阪電車浜大津駅 or JR大津駅より徒歩５分）
◇大津事件の碑から大津赤十字病院に向かって５、６分歩くとその並びに大木が見えてきます。これが「犬塚の欅」　 　 です。
【犬塚の欅(けやき)】
	・JR大津駅にほど近い大津赤十字病院近くに、巨大な欅（けやき）の老木があります。「犬塚の欅」と呼ばれており
	、市の天然記念物に指定されています。
	・掲示板の解説によりますと、この欅(けやき)には、次のような伝説があるそうです。
	「京都から大津へ難を逃れてやって来た蓮如上人が、その人気をよく思わなかった 他宗の門徒によって毒殺
	されようとした時に、 忠犬が身代りとなって死んだので、この犬を埋めた塚に、欅(ケヤキ)を植えて弔った」
	というお話です。
	・場所は市街地の中で、すぐ隣には大津赤十字病院があります。
犬塚の欅     犬　塚   欅   「犬塚の欅」解説
＊蓮如上人…浄土真宗の礎を築いた室町時代の僧侶。親鸞聖人の直系で第８代目の本願寺住持職となる。
＊「犬塚の欅」　所在場所：大津市逢坂２-９（ 最寄り駅京　阪電車　上栄駅より徒歩２分）
【義仲寺～犬塚の欅迄の散策ルート】
◇大津赤十字病院から徒歩(１０分)で浜大津駅に向かい、京阪電車に乗って近江神宮前駅に移動します。 　　駅から近江神宮方向に、５分歩くと「大津京跡」があります。
【大津京跡(おおつきょうあと)】
	・発掘にあたっては、大津京の存在を疑う学者が多かったそうですが、　６６７年に天智天皇が遷都してから、
	６７２年の”壬申の乱”で滅びるまで存在していたとの説に基づき発掘調査が行われ、昭和49年、錦織の地で
	大規模な建物跡が発見されました。
	・宮跡は部分的に国指定の史跡となっています。
＊「壬申の乱（じんしんのらん）」
天智天皇の太子・大友皇子（弘文天皇の称号を追号）に対し、皇弟・大海人皇子（後の天武天皇）が
反旗をひるがえした、叔父と甥の後継者争いです。雌雄を決した、決戦場所は現在の瀬田の唐橋です。
＊「大津京跡」　所在場所：　大津市錦織（最寄り駅 京阪電車　近江神宮前駅　目的地迄駅から徒歩５分）
大津京跡　第１地点     大津京跡　第１地点   大津京跡　第２地点   大津京跡　第３地点
◇近江神宮前駅に戻り、再び京阪電車に乗車し滋賀里駅迄移動します。駅から山手方向に１５分程歩くと 　　「百穴古墳群」があります。
【百穴(ひゃっけつ)古墳群】
	・掲示板の解説によりますと、古墳時代(１４００年前)に造られた墓が多く集まっており、　古墳の形態は、大きな
	石を積み上げて造られた石の部屋を、土でおおってできているそうです。
	・墓の入口が穴のように見え、この穴がたくさんあることから、「百穴」という名前がつけられたのことです。
	・昭和１６年に、国の指定史跡になっています。
百穴古墳群   百穴古墳群案内地図   古墳（１）   古墳（２）　   古墳（３）
＊「百穴古墳群」 所在場所：大津市滋賀里（最寄り駅 京阪電車 滋賀里駅 山手方向に徒歩１５分程で目的地到着