国史跡 「瀬田丘陵生産遺跡群」

・草津市の京滋バイパス野路中央交差点近く、野路小野山に国史跡「瀬田丘陵生産遺跡群」があり、史跡保護のためバイパス道路は2mほどかさ上げされています。

◆野路小野山製鉄所跡(奈良時代8世紀中頃)

    ・製鉄炉(10基)   ・燃料用の木炭を焼く木炭炉(6基)  ・大鍛冶跡(1基)
    ・管理棟建物(1棟)  ・工房跡(11棟) など... 
      
・古代の製鉄にかかわる一連の遺構がそろって見つかり、昭和60年に国の史跡に指定された。地方の有力者の私的に営んだものでなく、国家や近江国府が直接管理した官営の製鉄所であった。
・同時代に行われた紫香楽の宮や国分寺造営などの国家的大建設事業に深く関係すると推測される。

 

野路中央交差点付近

京滋バイパス側道

製鉄炉 遺跡群

製鉄炉の位置関係

側道の遺跡案内立札
◆野路の社寺名所
・さらに国道一号線方面に進むと旧東海道「野路」 この地には一里塚、教善寺、新宮大明神、野路の玉川など社寺名所がある。

弁天池

願林寺

新宮大明神

新宮大明神御社


浄泉寺


浄泉寺釣鐘

教善寺

一里塚
 
◆名水・野路の玉川

・瀬田川沿いを宇治方面に抜ける迂回路の分岐点にあり、交通の要衡として重視された野路の玉川は、日本六大玉川のひとつに数えられた名水、古くから歌枕に詠まれた名勝である。
 平安時代の歌人「源 俊頼」が詠んだ

  “あすもこむ 野路の玉川 萩越えて 色なる波に 月宿りけり” の歌碑がある。


野路の玉川

現在も湧水が出ている
 
◆野路中央起点map
 
          

          参考文献 : 「滋賀県の史跡名勝一覧」「野路の歴史」他

                           取材   小菅 勇二  2009年2月