『 近江商人郷土館』
 

 今回は流通経済の先駆者と言われる近江商人の代表的な一人である小林家の家屋敷を公開した財団法人「近江商人郷土館」を紹介いたします。


近江商人郷土館 外観
1.近江商人とは

<さざ波の・・>と万葉集に歌われた風光明媚な湖国、滋賀―近江の国は、古くから豊かな歴史と文化に加えて、経済社会の面でも<近江商人>の名で全国に広く知られ、親しまれています。
 鎌倉時代の発祥と言われる近江商人は、市日の商いや近郷行商次第に遠距離へと発展し、各地に出店を開いて全国に商圏を広げました。
 その商業活動によって、江戸時代の全国的流通経済の発展と、これに関連して商品の生産開発に寄与した業績は近代史に高く評価されています。
 近江の国境を踏み出せば他国と言われた昔、自らの双脚と才覚によってひたすら商いの道を歩み続け、誠実・勤勉・倹約・堅実・忍耐という徳目を実践し、信用を第一義として大成しました。
 確実に財力を蓄え、多くの寄付を行っています。「瀬田の唐橋」もその一つです。

 『近江商人 郷土館』は近江商人の標準的な規模の一つとして、小林家の家屋敷を昭和54年、財団法人近江商人郷土館として公開し、古文書・商用具・家具を陳列してあり、幕藩制社会から近代日本社会への変革期における、商人の商業活動や生活様式の理解と研究の一助となっている。
 『近江商人 郷土館』の敷地面積は約千坪で資料館と本館(旧小林邸母屋)に分かれている。
 資料館の中は第1室(店と商用具)、第2室(商いの旅)、第3室(幕末期の近江商人)、第4室(近代産業と近江商人)のテーマ毎に展示されている。
 本館の中は(商家の暮らし)に関するものが展示されている。
 特に、彦根藩井伊家からの拝領品や書画骨董類が興味深い。又、湖東焼も展示されている。

2.貴重な展示物の数々

標識

硯箱

郷土館入口

結界(はかり)

煙草盆

当時の手紙

両替用天秤

商人の財力評価表

銅貨箱

千両箱

皿秤

銭箱

店用風呂敷

印袢纏

道中合羽

薬の看板1

薬の看板2

当時の電報

日野商人の宿帳

天誅事件について

古文書

小林家秘蔵の絵

商用道具

当時に耐火金庫

御用の表札

小林家の商訓

概説

社会貢献活動の紹介1

寄付した「瀬田の唐橋」

湖東焼の壺

小林家とかかわりの紹介

社会貢献活動の紹介2

貴重な作品

寄付の内容紹介1

寄付の内容紹介2

商人の教え

湖東焼の食器類

資料館の入口
3.私の感想

 日本各地から企業の社員教育の一環としてまた、大学のゼミナール教育の一環としての来訪が多数あるとの事でした。
 展示物の内容を読むと松下電器(現在:パナソニック)の社員教育で習った内容と合致するものが多いと感じた。
 ふと忘れがちな人のあり方について考えさせられた。時間的に余裕のある方には是非、ご来館をお勧めします。

     

        ◆場  所:東近江市小田刈町473
        ◆一般公開:3月1日〜11月30日(月曜日休館)
        ◆入館時間:午前10時〜午後4時
              大人・大学生 高校・中学生 ・小学生
           一般   500円    300円   100円
           団体   400円    200円    50円
        ◆見学時間:@資料館=10分 A本館=30分 合計=40分

        ◆駐車場 :小田刈交差点角  無料
        ◆交  通:近江鉄道 八日市駅から3.5Km タクシーで6分
              JRびわ湖線 能登川駅から8.5Km タクシーで15分
              名神高速道路八日市インターから7Km 車で約20分
           

                             
(取材) 溝口 繁雄   2008年11月