『 (旧)南郷洗堰と瀬田川洗堰の今昔と
水めぐみ館・アクア琵琶』
 

右岸より瀬田川洗堰とアクア琵琶、遠方には緑も復活した田上山が見える
 

◆(旧)南郷洗堰と瀬田川洗堰の今昔

 琵琶湖の水は古代より沿岸住民は勿論、下流地区の人々の生活用水や、工業・農業用水として利用されてきていました。
 この琵琶湖に流入する主な河川は、約120本ありますが、流出する河川はこの瀬田川だけです。
 しかも昔の瀬田川は、川幅が狭く水深も浅い、非常に流れの悪い川であったため、大雨が降るたびに琵琶湖の水位は高くなり、沿岸は浸水が幾日も続き、湖の周辺に大きな被害を与えていました。この被害を除くには瀬田川を堀り、水の流れを良くして琵琶湖の水位を早く下げる必要があります。湖の周辺の人々にとって、瀬田川の浚渫はまさに悲願であり、江戸時代から幾度となく人力による「瀬田川の川浚え」が行われてきました。
 しかし、この瀬田川浚渫が進むと、雨が少ない時には水位が下がり、湖の周辺では生活用水、工業・農業用水の取水、船の航行などにいろいろな支障がでてきます。

 明治時代の「淀川改良工事」(明治33〜42年)によって、この二つの目的をうまく調節できるよう瀬田川浚渫工事と合わせて、明治38年(1905年)に南郷洗堰が設置されました。
 構造は、明治期最大の幅12尺(3,6m)32連レンガ・石造角落洗堰、当時としては画期的な物でした。これにより初めて琵琶湖の水位を、人工的に調節できるようになりました。

 この旧洗堰は約60年にわたり立派にその役目を果たしましたが、操作が人力で時間がかかり過ぎるるため、昭和36年(1961年)3月に、電動操作のできる現在の瀬田川洗堰が完成しました。旧洗堰は淀川の治水・利水を考える上で、歴史的に意義深い施設であるため、その一部を記念に保存してあります。「歴史的土木施設として高い価値に照らして(平成14年11月)土木学会選奨土木遺産に認定されました。」

■南郷洗堰(昔)と瀬田川洗堰(今)■
 
 
昔 の 洗 堰
今 の 洗 堰
  門の数
32
10
  門の幅

3,5m(12尺)

10,8m
  門のとびら(ゲート)
8寸四角長さ14尺木材
上下2段のゲート鋼材
  操作方法
人力
遠隔自動制御
  操作時間
全閉2日、全開1日
30分
  完成した年
明治38年(1905)
昭和36年(1961)
  工 費
25万2千円
4億6千5百万円
 

 その後、この琵琶湖の豊富な水資源を、近畿圏の健全な発展のため、より有効に活用できるよう、昭和47年度から琵琶湖総合開発事業が実施され、新たに最大毎秒40立方メートルの都市用水を、供給することになりました。
 現在の洗堰では琵琶湖総合開発事業後の水位の低下した時は、越流方式による正確な放流が困難となり、そのため琵琶湖総合開発事業で新たに作られたのがバイパス水路です。
 これは越流方式の流量調節ゲートと、微小流量時に正確に流量調節可能な、流量調節バルブからなっています。

■琵琶湖総合開発事業■
 
   
当初計画
  着 工
昭和47年(1972)
昭和47年(1972年)
  工 期(完成した年)

25年(平成9年)

10年(昭和57年)
  工 費
1兆9千億円
社会情勢変化で2度にわたる改正
 

 琵琶湖総合開発の一環で設けられたバイパス水路には、水の有効利用を目的に水力発電設備が設置されています。この水力発電設備は、洗堰の上下流の落差を利用し、水車を回転させ発電する全国的にもめずらしい「低落差小水量の高効率発電設備」で洪水時を除き、常時バイパス水路の放流設備の一部として運転されています。

   【水車形式:横軸S型チューブラ水車 水位落差3m 基準出力50kw】

 発電された電力は全てアクア琵琶に供給され、曝気噴水、本館の冷暖房、管内照明及び庭園照明等に使用されている。

                                                 

南郷洗堰あらまし

旧洗堰機構

旧洗堰土木遺産認定名盤

旧洗堰土木遺産説明

瀬田川洗堰橋表示板

川上より瀬田川洗堰

川下より瀬田川洗堰

バイパス水路と瀬田川洗堰
 

◆水のめぐみ館・アクア琵琶

 南郷洗堰は瀬田川洗堰へ役目を引き継ぐ間の明治、大正、昭和と琵琶湖・淀川を洪水・渇水から守る、まさに「琵琶湖・淀川の守り」そのものでした。
 「水のめぐみ館・アクア琵琶」では、こうした洗堰の歴史を初め、琵琶湖・瀬田川の砂防・田上山の砂防と植樹・淀川に関する治水・利水について様々な角度から紹介しています。


水のめぐみ館アクア琵琶

案内掲示板

施設案内図

水のめぐみ館施設案内図

南郷洗堰バイパスと水路

旧南郷洗堰遺跡

総合開発事業記念碑

オープンテラス

アクア琵琶シンボル

アクア琵琶館

旧洗堰の紹介

旧洗堰実物大の操作模型

旧洗堰実物大の操作模型

旧洗堰の説明装置

琵琶湖の水辺コーナー

今日までの琵琶湖水位のグラフ

説明パネル

洗堰改修前と後水位模型

2F展示場

琵琶湖を守る取り組み紹介

琵琶湖を守る展示パネル

琵琶湖のお魚ずかん

紹介ビデオ

雨量計の色々

推移と治水の歴史

昔の勢多川と大戸川地図

新洗堰築造と旧洗堰紹介

旧洗堰写真集

昔の砂防工事道具

明治と現在の田上山

砂防工法の模型

砂防工法説明盤

瀬田川砂防の説明パネル

明治、大正時代の砂防

現在の砂防

100年を超えた砂防事業

田上山卒業記念植樹風景

琵琶湖の水理現象説明

瀬田川洗堰の動き模型

琵琶湖 湖流のようす

琵琶湖 湖流模型 

琵琶湖 湖流模型説明

図書室

水彩スケッチ展示案内

水彩スケッチ作品展1

水彩スケッチ作品展2

見学後の楽しいお昼

楽しいお弁当の時間
 

◆ウオーターステーション琵琶

 川や水、琵琶湖をテーマにした文化・芸術活動・流域の川で、水防活動や河川美化活動などに利用する施設です。 雨たいけん室では小雨から最高降雨体験もできます。(長靴、雨合羽も用意されています)


休憩室正面

休憩室の由来

現休憩室(旧建屋表示)

休憩室内お茶も飲めます

休憩所室内

ウォーターステーション琵琶

シンボル名の紹介立札

活動の紹介1

活動の紹介2

活動の紹介3

活動の紹介4

活動の紹介5

琵琶湖の身近な魚1

琵琶湖の身近な魚2

雨たいけん室
 

◆瀬田川ビバクルーズ外輪汽船 「昔なつかしい一番丸」も運行されています。

 瀬田川をゆっくりとクルージングを楽しみながら春は桜、秋は紅葉を満喫できます。
 運行期間:3月中旬〜12月中旬(土日祭)      乗船料金 大人 1,300円
      また、4月・11月は25日間くらい運行 (小学生) 小人   700円
                          (小学生未満)    無料
 お問い合わせ:大津市石山観光協会 TEL 077-537-1105


道案内

瀬田川リバークルーズポスター

運行ポスター

外輪汽船一番丸石山乗船風景

外輪汽船一番丸運行風景


瀬田川クルーズ風景


ボートの練習風景

瀬田川河川敷
■ぜひ「水のめぐみ館・アクア琵琶」へお立ち寄りください■

 

 

   開館時間 : 9:00〜17:00 TEL 077-546-7348

   入 館 料 : 無 料

   駐 車 場 : 無 料(約20台)

   休 館 日 : 毎週火曜日
          (火曜日が祭日の場合はその翌日)

   参考資料 : 琵琶湖河川事務所掲示板
          水のめぐみ館「パンフレット」

 


                                   2008年10月
 
写真・取材    大津市在住  上田 栄治