〜紅葉の名所と歴史の面影を残す永源寺〜

・東近江の歴史と趣に包まれた社寺仏閣で、関西有数の紅葉の名所として知られる「永源寺」を紹介します。


瑞石山・永源寺の総門
〔瑞石山 永源寺の歴史〕

・当山は愛知川渓谷の右岸に迫る山腹に位置し、康安元年(1361)に近江の守護職佐々木六角氏頼がこの勝地に伽藍を建て、寂室元光禅師を請して開山となし、瑞石山永源寺と号した。
 また、末寺百余ヵ寺を統率する臨済宗永源寺派の大本山でもある。

・当時、この山中に五十六坊の末庵を有し、二千余りの修行僧が参集したと記されている。
 応仁の頃、京都五山の名僧知識が難をこの地に避け、修業され「文教の地近江に移る」といわれた程隆盛を極めたが、明応元年(1492)永禄7年(1563)元亀2年(1571)と度重なる失火や兵火に焼失し、往時の面影もなく衰微したが、寛永年間に後水尾天皇の勅命によって一絲文守禅師(仏頂国師)が往山し、彦根藩主井伊氏の外護も有り再興し、法燈が再びこの地に輝いた。

・依頼当山は、座禅研鑽、天下泰平、万民和楽を祈る道場となり、本堂の屋根は全国屈指のヨシ葺き建物で本尊世継観音を安置し、この観音を一心に祈念すれば優れた世継が授かり、子々孫々繁栄という霊験あらたかな秘仏とされている。

〔参拝ルート〕

・参道120段の石段(羅漢坂)を登りつめると、左の岩山に釈迦、文殊、普賢像と十六羅漢と石仏が奉安され左の岩山に井伊家の霊廟もある。
・羅漢坂を登りつめると、総門、山門を通り、本堂、鐘楼、禅堂、法堂、経堂、開山堂と続き、境内にはいたる所に庭園があり、よく掃き清められた庭が心身を癒してくれる。

・また、秋には全山紅葉に包まれ紅に染まり、参拝ルートの羅漢坂、特に総門から山門にかけての参道は頭上に広がる紅葉が特に鮮やかで、毎年絶好のフォトスポットとしても知られている。

・裏門出口より地元の人が創った約4Kmの「八十八箇所遊歩道」があり、88体のお地蔵様が祀られている。

 


国道横の石碑


参道入口立札


参道入口「開山」立札

 

〔参道の石段120の羅漢坂を登り、左の岩山に十六羅漢石仏や井伊家の霊廟を参拝しながら総門に向う〕


参道120石段(羅漢坂)

十六羅漢像
(仏像はそれぞれ違ったユニークな表情をしている)

井伊家の霊廟入口

井伊家の墓碑

井伊家の霊廟立札

総門(初夏の新緑風景)

総門(晩秋の紅葉風景)
〔参道の総門から本堂のある山門に向う〕

山門前の参道(初夏の新緑風景)

山門前の参道(晩秋の紅葉風景)

山門:享和2年(1802)建立の5間3戸の門

山門の立札
〔本堂での参拝〕


本堂の全景:明和2年(1765)建築し、よし葺き屋根の大きな方丈(本堂)建立が有名


本堂正面

方丈(本堂)の額
〔本堂内部〕

本堂の仏殿

水墨画のふすま絵と掛軸

「瑞石山」の額

本堂前の縁側に設置された「撫で佛」

本堂前の日本庭園

本堂前の鐘楼

座禅堂

座禅堂前の池

芭蕉の句碑
(こんにゃくの さしみもすこし 梅の花)

飛泉水

法堂

びゃくろくざか(裏門に通じる坂道)

普照

開山堂の日本庭園

裏門近くの専門道場

裏門近くの茶筅塚
   
〔八十八箇所遊歩道の参拝〕  
・永源寺裏門を出て直ぐにあり、この遊歩道は四国八十八霊場を50日かけてめぐった8人の女性たちが、自らの地元にも霊験あらたかな霊場をと、約4Kmに88体の地蔵を祀った参道を創った。

霊場めぐり案内板

霊場めぐり案内板

一番地蔵

四十四番地蔵

八十八番地蔵


遊歩道の中腹で永源寺ダムを眺望

〔永源寺参拝の交通アクセス〕

永源寺・天然温泉「八風の湯」
◆掲載した写真は紅葉の時期を前に8月下旬に撮影したもので、紅葉時(11月頃)には素晴らしい景観を求め、多くの観光客が訪れます。
 是非、訪ねられることをお勧めします。
 参拝後は最近完成した近くの天然温泉「八風の湯」で身体を癒すこともできます。
 
          

          参考文献 : 東近江市発行「観光ガイド」・永源寺社務所発行「案内ガイド」

                           取材   西島 庸雄  2008年8月