弘法大師が刻んだ厄除け観音 立木観音
 

◆JR石山駅から南へ約7.4km、瀬田(せた)川沿い西側に「立木観音参道」の大きな標石が見えます。
立木さんの名(正式には安養寺)で親しまれ、厄除け観音として有名な立木観音への入り口です。
立木山の中腹に位置し空海が一本の立木で観音像を刻み、お堂を建てたのがはじまりといわれ、観音像を刻んだのが弘法大師42歳才の厄年だったことから、古くから厄除け観音として広く親しまれています。
毎月17日には月参りの参拝者でにぎわい、お正月の初詣から始まり年末の除夜の鐘まで一年中にぎわいをみせています。

『立木観音駐車場と参道の標石』

◆参拝には二つのルートがある。(険しい立木山の中腹まで登る。)
 1)670段の石段を登る。
   一般的な参道で急な石段を登るルートである。
   〔参道口に(5丁=550m)との石の道標がある〕〜約20分


『 急な石段が670段』

『参道途中の 月参三十年御礼の石柱』

『瀬田川を見下ろす』
 
2)山の北側よりの山道を登る。
  ハイキングコースとして親しまれ、古道といった雰囲気だが、東海道自然歩道として整備されている。
  〔参道口に(20丁=2.2Km)の石の道標がある〕〜約60分

『山道の参道』の標石

『古道の雰囲気の登り坂』

『湖南アルプスが見える』
◆厄除立木観世音略縁起
  (この略縁起は弘法大師と白鹿像前の銅板に刻まれている)

  弘仁六年弘法大師が諸国を御修行中、瀬田川のほとりにおいでになりますとこの山に光を放つ霊木が
  あるのに目がとまり奇異に思っておられるところへ白い雄鹿が現れ大師を背にのせて瀬田川を跳び渡
  り霊木の前に導き観世音に変化(へんげ)しました。
  《この尊像は河をお渡りになる尊いお姿でそれ以来麓の谷を”ししとび”と呼ばれてきました。》
  大師はこんな有難い奇瑞があろうか、これは自分が丁度42歳の本厄にあたっているのでお導きいただ
  いたのだと歓喜され、おもえば人の世はなにびともまぬがれがたい厄難があり中でも男42歳女33歳は
  厄難の年である。
  どうか自分の災厄のみならず未来永劫の人々の厄難厄病を救い給えと心願をこめて根のある立木の
  ままの霊木に大師の背丈にあわせて聖観世音の尊像をお刻みになりました。
  それから千有余年信心する人には必ず感應ましまし霊験あらたかな厄除の観音さまとして広く尊信さ
  れてまいったのであります。

『観世音菩薩が安置されている本堂』

『立木観世音御縁起』

『奥の院』

『御茶所』 無料休憩所
 
<立木観音へのアクセス>

  所在地   滋賀県大津市南郷5-20

  問合せ先   【電話】077-537-0008

 (1)石段から参拝の場合
  
  交 通  JR石山駅より京阪バス大石行きで20分、
        バス停:立木観音前下車、本堂まで徒歩20分
  
  車:京滋バイパス南郷I.C.より5分
  
  駐車場  あり

 (2)ハイキングコースから参拝の場合

  交 通  JR石山駅より京阪バス新浜行き又は大石行きで15分
        バス停:南郷下車、本堂まで徒歩60分
   駐車場  なし

取材 2005年10月 廣瀬 克巳