幻の都・陶器の郷 信楽
 

日本最古・最大の湖、びわ湖を擁する滋賀県の最南部に位置する甲賀市の最南部に、745年に首都機能をもった紫香楽宮が造営され、山紫水明に育まれたお茶(朝宮茶)と陶器の信楽焼で有名な「信楽」があります。


聖武天皇が天平14年(742年)に造営に着手したことに始まる紫香楽宮。離宮として造営が始まった紫香楽宮は、天平17年5月に平城宮に還都されるまでの3年余の間、実質的にわが国の首都となりました。
わずか数年で遷都されたため長く幻の都といわれてきました。平成12年、宮町遺跡で宮殿跡が発見され、全国的に注目を集めるようになりました。今も幻の宮を解明するための発掘が続けられています。

『紫香楽宮跡』
 
紫香楽宮跡は長年の発掘調査により、宮町遺跡が宮殿で、早くに宮跡とされてきた遺跡が甲賀寺跡であることがわかりました。
聖武天皇が発した大仏造立の詔により、大仏の骨組みとなる体骨柱を立てたと推察される甲賀寺跡。金堂跡、僧坊跡、塔院跡などずらりと並ぶ礎石が、当時の面影を今に伝えています。
「信楽焼」は日本六古窯のひとつに数えられ、今日にいたるまでその伝統が守り継がれています。土味を生かした素朴な風合いが、年月を超えて多くの人々に愛されて来たということでしょう。

信楽高原鉄道 信楽駅前の大狸

町内には多くの陶器の店
 
信楽でどこへ行っても出会うのが、狸の焼き物、なんとなく憎めないこの姿かたちは「八相起縁」と呼ばれる縁起を表しています。
昭和26年、昭和天皇の信楽行幸の際、小旗を持ち沿道に延々と並んで天皇を歓迎する信楽狸が全国に報道され、一躍信楽の狸が有名になったと言われています。

『八相起縁


狸の元祖『狸庵』の入り口

狸の元祖の『狸庵』の店先には大きな狸がにらみを利かせ、店内には所狭しと色々な表情の狸が置かれ、有名人の来訪も多いようです。

陶芸の郷信楽には、滋賀県立『陶芸の森』や、多くの美術品を集めた『MIHO MUSEUM』もあります。

滋賀県立『陶芸の森』入り口
滋賀県立『陶芸の森』は、やきものを素材に創造、研修、展示など多様な機能を持つ公園として、また人・もの・情報の交流を通して地域産業の振興や新しい文化創造の場とするとともに、滋賀から世界へ情報を発信することを目的に整備され、平成2年6月に竣工・開設されました。
MIHO MUSEUMは1997年にオープンし、「自然と建物と美術品」「伝統と現代」「東洋と西洋」の融合をテーマに、建築容積の80%以上を地中に埋没し、建物の上にも自然が復元されています。
コレクションは、茶道具から始まり、仏教美術、陶磁器、漆工などの日本美術から世界の古代美術まであり、その数約2,000点からなり、常設展示のほか、季節により特別展も企画されています。

MIHO MUSEUM南館入り口
日本最古の朝宮茶
  日本で初めてお茶が栽培されたのは、信楽の朝宮地区と言われています。「全国五大銘茶」の一つに数えられる朝宮茶は、緑茶の最高峰として、歴代の天皇にも献上されているそうです。


<信楽町へのアクセス>

電車で JR草津駅から約1時間
     JR琵琶湖線「草津駅」経由、
     草津線「貴生川駅」乗り換え
     SKR信楽高原鐵道「信楽駅」下車

車で   名神高速道路
     「草津田上I.C.」から約25分
     名神高速道路
     「瀬田西・瀬田東I.C.」から約30分
     名神高速道路
     「栗東I.C.」から約30分
     名阪国道
     「壬生野I.C.」から約30分

滋賀県立『陶芸の森』
     〒529−1804滋賀県甲賀市信楽町勅旨2188-7
     TEL:0748-83-0909  FAX:0748-83-1193
     ●開館時間:午前9時30分〜午後5時00分
          (ただし、陶芸館、信楽産業展示館への入館は午後4時30分まで
     ●休 園 日: 毎週 月曜日
          (ただし、月曜日が祝日の場合はその翌日)、
          年末年始(本年度の場合は12月29日から1月3日)
     ●入園無料
     ●駐車場無料

MIHO MUSEUM
     〒529-1814 滋賀県甲賀市信楽町桃谷300
      TEL:0748-82-3411  FAX:0748-82-3414
     ●開館日は年間で決まっていますので問い合わせください
     ●入館料 大人 1,000円
     ●開館時間 午前10時〜午後5時(入館は午後4時まで)
     ●駐車場無料
取材 2005年9月 片木 明雄 才野 嘉昭