西国三十三カ所観音霊場 14番霊場  
長等山 園 城 寺 
(通称 三井寺)
金堂

金 堂
◆宗 派:天台寺門宗

◆本 尊:如意輪観世音菩薩

◆ご詠歌:いで入るや波間の月を三井寺の鐘の響きにあくる湖

◆通称三井寺は、正式には長等山園城寺(ながらさんおんじょうじ)といい、天台寺門宗の総本山である。眼下に琵琶湖を望む長等山の中腹にあり、長い歴史の上では再三の兵火にあい焼失したが、豊臣氏、徳川氏の尽力で再興され、広大な境内に国宝、重要文化財、名園など貴重な寺宝を数多く伝えている。

◆三井寺は天智天皇が天智6年(667年)近江に都を置いた『大津宮』ゆかりの古刹である。天智天皇没後、皇位継承争いに敗れた大友皇子(天智天皇の子)の霊を弔うため、その子の大友与多王が朱鳥元年(686年)に建立し、天武天皇から『園城』の勅額を賜り、寺名にしたことにはじまるとされている。

◆一般に広く知られている三井寺の名は、天智・天武・持統天皇の産湯に使ったと伝えられている井戸があることに由来して、『御井(みい)の寺』と呼ばれていたものが、のちに三井寺と言われるようになった。

◆本堂の金堂(国宝)は豊臣秀吉の妻の北政所が慶長4年(1599年に再建したものである。

◆霊鐘堂の鐘は、むかで退治で有名な俵藤太が寄進したもので、弁慶の引摺鐘とも呼ばれている。また、鐘楼の梵鐘は弁慶の引摺鐘を模して造られたもので、近江八景の『三井の晩鐘』として知られ、宇冶の平等院、高雄の神護寺の鐘とともに日本三名鐘に数えられており、NHKの往く年来る年で紹介されたこともある。
三井寺のご朱印

ご朱印
仁王門

仁王門
観音堂から

観音堂からの眺め
三井の晩鐘

鐘楼(三井の晩鐘)
三重塔

三重塔
ガイド
・住所 大津市園城寺町246
・電話 077−522−2238
・拝観 8〜17時 無休、有料
・駐車場あり(有料)
・京阪三井寺駅から徒歩5分
 ちよっと寄り道 〜琵琶湖疎水〜

琵琶湖疎水は、東京遷都で沈みきった京都に活力を呼び戻すために、5年間の難工事の末明治23年(1890年)に完成した。水力発電の採用により、新しい工場が生まれ、路面電車が走り、京都は復活した。京阪三井寺駅から三井寺への道すがら、琵琶湖疎水がはしり、桜の季節は花見客で賑わう。
琵琶湖疎水
 三井寺の位置

取材日: 2004年5月22日
取材者: 大橋 守