西国三十三ヵ所観音霊場 30番霊場   
巌金山 宝 厳 寺(ほうごんじ) 
 


唐門

◆宗 派:真言宗豊山派

◆本 尊:大弁才天像

◆ご詠歌:月も日も波間に浮かぶ竹生島船に宝を積むここちして

◆宝厳寺は琵琶湖に浮かぶ竹生島にあり、西国三十三ヵ所のなかで、ここだけは船でなければ行けない。風光にめぐまれた湖上をほどよい船の旅。寺には日本三弁天もあって札所めぐりに弁天さん参り、さらに多くの観光客と春から秋まで賑わう。

◆竹生島はもともと神仏習合の霊地であったが、明治元(1868)年の神仏分離令で無理やり宝厳寺と都久夫須麻(つくぶすま)神社に分けられた。このため島の顔であった弁天さんは本堂を神社に明け渡し、以後70年余も仮安置のままで過ごし、昭和17(1942)年、現在の本堂が建てられてやっと安住となった。

◆本尊の大弁才天立像は宮島、江の島の弁財天と共に日本三弁天の一つ、大弁才天と呼んでいるが、高さはわずか25cm。聖武天皇の勅命により行基が刻んだと言われ、61年毎に開扉される。三十番札所は観音堂であるが、観音堂の本尊である千手千眼観世音菩薩は弁財天と共に秘仏とされ開扉も61年毎(前回は1977年)で拝観チャンスは一生に一度。

◆島には国宝、国の重文も数多くあるが、神仏分離令で由緒ある品々、建物が神社のものとなっており寺としては、無念な神仏分離令であったと思われる。

◆参拝はゆっくり周っても、1時間くらいで十分に周れる。お参りの後は乗船場にある土産物屋でおみやげを買ったり、お茶をいっぷくいただきながら帰りの船を待つ。



ご朱印


本堂


石の五重塔


本堂への165段の石段


寺と神社を結ぶ船廊下

ガイド
・住所 東浅井郡びわ町早崎1664
・電話 0749−63−4410
・拝観 船の運行時間内、無休、有料
・JR湖西線近江今津駅下車、徒歩5分の 今津港から船で。3月第二日曜日から 11月まで運行。
  (6月までは40分、7月からは20分)
・今津港に無料駐車場あり
・船は他に彦根、長浜などからも運航
・琵琶湖汽船 077-524-5000
・オーミマリン 0749-22-0619

ちよっと寄り道 〜城下町 長浜〜

竹生島への出発地でもある長浜は豊臣秀吉の居城のあった城下町で近隣も含めて多くの国宝など見所の沢山ある地で最近では、盆梅展や黒壁ガラス館など人気を集めている。



取材日: 2004年5月17日
取材者: 才野嘉昭