最高泉質の「温泉津温泉」

大田市の旧温泉津(ゆのつ)町は現在は小さな田舎町ですが、江戸時代は「石見銀山」で採掘された銀の積出港として、20万人の人が行き来していた中国地方有数の町として栄えたところです。
「温泉津温泉」には賑やかな歓楽街などはなく、港から山側に伸びる狭い道の両側に古風な鄙びた日本旅館が並ぶ町並みで、温泉街としては全国で初めて国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されています。

外湯は「元湯泉薬湯」と「薬師湯」の2ヶ所あり、有難いことに入浴料は300円と銭湯より安く、「薬師湯」では屋上ガーデンテラスでの無料コーヒーまでついています。
どちらも早朝から夜9時まで入浴できます。
但しタオルなどの設置は無く、持参していない時は別途購入する必要があります。
温泉はどちらも46度の源泉のお湯を加熱・加水せずに直接浴槽に注ぐかけ流しで、「薬師湯」 の泉質は「日本温泉協会」の審査結果、島根県では1ヶ所、全国でも12ヶ所しかない全項目最高評価の5を獲得した最高泉質の湯として評価されています。

山陰を代表する温泉といえば「三朝温泉」「皆生温泉」「玉造温泉」などが挙げられ、「温泉津温泉」は地元の人しか知らない小さな温泉と思っていましたが、以前テレビの番組で参加している東京の著名人に「私の一番好きな温泉は」と質問する中で、「温泉津温泉」という名前が出てきて驚いた事がありました。

「石見銀山」はこの「温泉津」を含めて世界遺産登録を目指しており、世界遺産に登録されると観光客の増加が予想され、この静かな温泉地がどのように変身するか注目されます。

(情報 千田)

追:2007年6月28日に世界遺産登録が決定しました。
温泉街の町並み
薬師湯 元湯泉薬湯