地図にない温泉「嫁ヶ島温泉」

「嫁ヶ島温泉」という名前を聞いたことがありますか。

県立美術館駐車場南西側、「袖師窯」横の道路脇に、蛇口が設置されています。
看板も何もありませんが、この蛇口から出ているのは水道の水ではなく温泉のお湯で、ここが「嫁ヶ島温泉」です。

このお湯は誰でも無料で自由に持ち帰ることができます。
2〜3個のポリ容器にお湯を入れて徒歩や自転車で持ち帰るご近所の方や、軽トラックに数十個のポリ容器を積んでお湯を汲みに来る人をよく見かけます。

「嫁ヶ島温泉」という名前は地図にも無く、松江在住の人にも殆ど知られていないと思いますが、蛇口の奥に、元日本大学総長の書による人の背丈程の立派な温泉名の石碑が立っています。

この温泉は宍道湖の湖底から湧き出す温泉として昔から一部の人には知られていたものが、昭和30年代の湖岸の埋め立てで地上に出たものだそうです。

温泉が沸き出した頃、ここに温泉ホテルができたのですが、長続きせず廃業し、その建物は長い間石碑の横に残っていましたが、2013年に取り壊され、今では嫁ヶ島温泉はお湯の出る蛇口と石碑だけになってしまいました。


(情報 千田)

温泉の出る蛇口 温泉名石碑