淀江の和傘

鳥取の最大の祭り「しゃんしゃん祭」のメインイベントとして「傘踊り」が踊られるように、和傘は鳥取にとって欠くことのできない民芸品です。

この傘は米子市の淀江地区で作られてきました。

淀江で傘が作られ始めたのは19世紀の前半ですが、材料の竹が豊富にあったことと、傘を干すのに適した日野川河口の砂浜があったことから広がり、大正時代には製造業者が71軒、生産量は年間17万本で、西日本一円に出荷するほどの一大産業になりました。
しかしながら昭和20年代の終わり頃から、洋傘の普及に伴って衰退が始まり、昭和59年に最後の業者が廃業して、淀江の傘製造業者は壊滅しました。

現在は唯一、JR淀江駅近くにある「和傘伝承館」で「淀江傘伝承の会」の皆さんの手で、伝統を守りながら祭用・観賞用・贈答用等として、年間1500本程度の傘が作られ販売もされています。
ここでは昔からの伝統技法で傘が作られる工程を見学できる他、予約すれば傘張りの体験も出来ます。


(情報 千田)


和傘伝承館 傘作りの作業場
しゃんしゃん祭の傘 日傘