八俣大蛇と雲南市

山陰地方は神話のふるさとで、神話が記載されている古事記でもその1/3は山陰地方の神話です。
山陰地方の神話で最も多く登場するのは大国主命とスサノオノミコトで、中でもスサノオノミコトの八俣大蛇(やまたのおろち)退治の話は地元でも一番親しまれ、出雲神楽・石見神楽の中心演目として演じられています。

八俣大蛇伝説とは、高天原から地上に降りたスサノオノミコトが、八つの頭を持つ怪物・八俣大蛇のいけにえにされそうになっていたクシナダヒメ(イナダヒメ)を救うために、八俣大蛇に酒を飲ませて酔わせてこれを退治し、クシナダヒメと結婚するという話です。

伝説の中心となっているのが現在の島根県雲南市です。

地上に降りたスサノオノミコトが川の上流から流れてくる箸を見つけて上流に人が住んでいることを知ったというこの話の始まりの地にある「八俣大蛇公園」をはじめ、八俣大蛇が住んでいたといわれる「天が淵」、オロチに飲ませる八塩折の酒を作った釜跡といわれる「釜石」、酒を入れた壺が埋められているといわれる「印瀬の壺神」、オロチの首がその下に埋められているとされる「八本杉」、温泉神社にある「クシナダヒメの両親(アシナヅチ・テナヅチ)の陵」など数多くのゆかりの地があります。

公共交通のほとんどない不便な所ですが、毎日ではありませんがこれらゆかりの地を巡るガイド付きの「ヤマタノオロチ伝承バス」が運行されています。

一度このバスに乗り、神話の世界に浸ってみてはいかがでしょうか。

(情報 千田)


八俣大蛇公園 天が淵
印瀬の壺神 石見神楽「おろち」