世界ジオパーク「浦富海岸」

浦富海岸は「大山」「鳥取砂丘」と並ぶ鳥取県を代表する景勝地で、「山陰海岸国立公園」「日本百景」「平成にっぼん観光地百選」等に選定されており、平成22年には我が国では4ヶ所しかない「世界ジオパークネットワーク」への加盟が認定されています。
このように著名な観光地ですので、山陰の隠れた情報を紹介するこのコーナーに取り上げるのは不適かとも思いましたが、山陰に住んでいる人に聞いてみると、多くの人が、鳥取砂丘には行ったことがあるが、浦富海岸は名前だけは知っているが行ったことがないということからあえて紹介することにしました。

浦富海岸は鳥取砂丘から5km程東に行った、松葉ガニの水揚げで有名な網代港の東側一帯の海岸で、兵庫県との県境に位置しています。
陸地からもスポット的に見ることはできますが、全体を見物するには「島めぐり遊覧船」を利用するのが良いと思います。

蒲生川の河口から遊覧船に乗り、海へ出ると左側遠方に鳥取砂丘が見え、右に舵を切るとすぐ浦富海岸となります。
浦富海岸は大小170余りの島があり、「山陰の松島」と云われていますが、松島がその名のように緑の松に覆われた女性的な風景であるのに対して、浦富海岸は無数の洞窟のある荒々しい岩でできた島から成る男性的な風景で、島崎藤村も「松島は松島、浦富は浦富」といっているように、松島とは全く異なった趣をもった海岸です。

全体的には岩場の海岸ですが、その合間合間には石英の透き通ったような白砂の浜辺があり、海水浴場となっています。
この付近一帯の海はわが国屈指の澄んだ海で、透明度25mを誇っており、小舟から箱メガネで、また海に潜って海底を観察している人をよく見かけます。

(情報 千田)

島めぐり遊覧船 鳥取砂丘遠景
浦富海岸