雲樹寺の「酒断地蔵尊」

JR安来駅の南5km、伯太川沿いに中国観音霊場27番札所の雲樹寺があります。
元亨二年(1322年)に後醍醐天皇の師、狐峰覚明三光国師によって建立された山陰最古に属する禅宗の寺です。

伯太川の土手を下ると、両側に石灯籠が並ぶ300mの直線の参道が続き、その中程に雲樹寺開山当時のものといわれる四脚門があり、国の重要文化財に指定されています。
参道を通り抜け左折すると、山門、仏殿、方丈と伽藍が一直線に並び、その左手に勅使門、開山堂があります。

開山堂の土間に無造作に鐘が置かれていますが、この鐘は1374年に海中から引き上げられて奉納された我が国最古の朝鮮鐘で、国の重要文化財に指定されている鐘です。
方丈の裏には枯山水式の禅宗庭園があり、後背の斜面はつつじ・さつきで一面埋め尽くされており、雲樹寺は別名つつじ寺とも言われています。

参道から山門への曲がり角のところにちょっと変わった「酒断地蔵尊」があります。
ちょっと見ると普通のお地蔵さんに見えますが、手にはとっくりを逆さに持って、盃を持った鬼を踏みつけています。
その横には「断酒勤労」と書かれたとっくりと盃の像があります。

酒を控えたい人はお参りしてはいかがでしょうか。


(情報 千田)


四脚門 朝鮮鐘
禅宗庭園 酒断地蔵