1300年時が止まったままの「立石神社」

「雲陽誌」には「山の神」として3つの岩からなり、地元の人は立岩さんといって祀る神社がある。立石(たていわ)神社のことで、出雲市坂浦町立石地区にあります。ちなみに神社の名は「たていわ」、地区名は「たていし」です。

祀ってあるのは多伎津比古命(たぎつひこのみこと)で、雨乞いの神様です。

山の中に最大高さ12m、最大幅26mなどの巨石が3つあり、一つの岩が自然に割れたものです。本殿も鳥居も無く、木と木の間に縄が渡してあり、お祈りの場所に数本の1m位の竹(御幣)が立っているだけです。

出雲国風土記には399の神社が記載されており、これは大和・伊勢に次ぐ数の多さですが、その大半は岩に注連縄(しめなわ)を飾っただけのものでした。
その後地元住民の手により、ほとんどの神社に社が作られましたが、この立石神社は風土記の時代そのままの姿で今に至っている数少ない神社です。

地区の2軒の家がずっと面倒を見てきて、年に1回のお祭りも絶やさずに続けられています。

多伎津比古命は大国主命の孫で、この地で生まれ幼い頃を過ごしたと云われ、近くに産湯をつかった滝壺等があるとされていますが、今ではそれが何処か地元の人にもわかりません。

1300年以上時間が止まったままのパワースポットの空気を体験されてみてはいかがでしょうか。


(情報 和田森


入口(小さな案内標識) 山道の参道
木に渡されたしめなわ 御神体の巨岩