貴重な学術資料「石見畳が浦」

JR浜田駅の北東約5kmの海岸にある「石見畳が浦」は、東京ドームより少し広い平板な「千畳敷」ともいわれる海岸台地(海床)の景勝地です。
「石見畳が浦」は約1,600万年の第3紀中期中新世の地層で、独特の形状の岩や貝・鯨骨・流木などの多種類の化石また周辺の断層なども破損されずに残っており、景勝地であると共に、貴重な学術的資料として昭和7年に国の天然記念物に指定されています。

「千畳敷」と呼ばれる海岸台地は他にも全国各地にありますが、他の「千畳敷」は地表の岩盤が波や風で侵食されてできた台地が多いのに対して、ここ「石見畳が浦」は何回かの地震で海底が隆起して地表に出たもので、明治5年の浜田地震によって今の姿になったものです。
そのことを表すものとして、この千畳敷には海底が波の水流により長い時間をかけて侵食されて岩の固い部分だけが残った、地表での波や風雨の浸食では見られない団塊(ノジュール)と呼ばれる腰掛状の滑らかな丸い石が多く見られます。
この団塊は海底のくぼみに貝殻などが集まり、その貝殻のカルシュームによりその付近の岩が固くなって侵食されずに残ったとされており、団塊の中からは多くの貝の化石が発見されます。

「畳が浦」の中ほどに「馬の背」と呼ばれる小高い丘があり、この「馬の背」は「千畳敷」と同じ高さであったものが、隆起してできたといわれております。
「馬の背」の付近には「きのこ岩」と呼ばれる変わった形の岩がたくさんありますが、これは固い岩の部分だけを残して周りの柔らかい砂岩の部分が風雨で削り取られてできたものとされています。

「千畳敷」の背後には、礫岩と砂岩の地層をくっきりと見せている崖があります。
この崖は千畳敷がこの部分で剪断されて隆起したもので、この25mの崖の上が隆起前は「千畳敷」と同じ高さであったことを表しています。

(情報 千田)

千畳敷 団塊(ノジュール)
「馬の背」の「きのこ岩」 地層を見せる崖