来待石の磨崖仏「久戸千体地蔵」

国道9号線をJR来待駅の西にある来待川に沿って南に入り、山陰道手前の石の博物館「来待ストーンミュージアム」の南入り口に向かって左折し、すぐ右折すると、左側に案内板があります。
そこから山道を100m程(ジグザグに歩くため直線では50m位か)行った所に「久戸千体地蔵」があります。(来待駅から1.6km,9号線から1km位です)

山道は急斜面で、前半は壊れかけているものの石の階段がありますが、後半は竹藪の中で笹の落ち葉で滑りやすく、ちょっと気を抜くと滑り落ちそうなスリルのある、道とも言えないような道です。

竹藪を抜けると目の前に高さ7mの垂直に切り立った来待石の崖があります。
その崖の下部に、高さ70cm奥行き20cm位のコの字型の切り込みが40m程の長さで入れられ、その奥の壁に112体もの地蔵尊が浮彫で彫られています。

いつ、誰が、何のために掘ったのか、はっきりしたことはわかっていませんが、他の地で多くみられるような為政者の権力によって作られたものではなく、地元の村人達がコツコツと彫ったものではないかと考えられ、室町時代から江戸時代にかけて作られたとされています。

地蔵尊は風化がひどく、目鼻も定かでなくなっています。

貴重な史跡ですので、これ以上風化が進まないよう何とか保存して欲しいのと合わせて、わずかな距離ですので、お年寄りやハイヒールの女性でも気楽に登れるように、上まで階段を付ける等登り道を整備して、多くの人が見ることができるようにして欲しいものです。


(情報 千田)

案内板 登り口
千体地蔵