蛇を祀る神社「お種弁天」

鳥取砂丘入口の交差点の砂丘方面と反対側に大きな鳥居が有ります。
鳥居をくぐって参道を下り多鯰ヶ池に出ると、池のほとりに小さな神社が有ります。
これがお種弁天宮です。
参道の入り口にはお種弁天の砂像が作られていました。

この神社は観光客の多い砂丘のすぐ近くに有りながら、訪れる人は少なく例年日に20〜30人程度でしたが、山陰では珍しい蛇を祀った神社として、巳年の今年は参拝者が急増し、1月上旬だけでも8千人を超える参拝者がありました。

昔この地の長者の家の奉公人達が、一日の仕事が終わり「腹が減った」というと、この家で働いていたお種という女性がどこからか柿を持ってきて奉公人に振舞いました。
奉公人達は喜んで柿を食べたのですが、毎日毎日このことが続くので不思議に思った若者がお種さんの後をつけたところ、お種さんは蛇に姿を変えて多鯰ヶ池を泳いで池の中の小島に渡り、島にはえていた柿をとっていました。
これを見た若者はびっくり仰天して家に逃げ帰りました。
正体を知られたと知ったお種さんはその日限りこの家から姿を消しました。

このことを知った長者の家に住んでいた老婆がお種さんを憐れみ、池のほとりに祠を建てて祀ったのが、今のお種弁天宮の由来とされています。


(情報 千田)

弁天宮の大鳥居 参道
多鯰ヶ池 お種弁天宮