鳴り砂とサンドミュージアム

「鳴り砂(または鳴き砂)」とは、砂の中に粒のそろった滑らかな石英の粒が多く含まれており、その上を歩くことにより石英の粒がこすれ合って「きゅっ、きゅっ」という音がする砂です。

現在「鳴り砂の浜」と呼ばれている砂浜は、全国で20箇所余りあるそうですが、砂が汚れたり石英の粒に傷が付いたりすると音が出なくなるため、大半の「鳴り砂の浜」が砂浜の中のごく一部でしか音が出なくなったり、中には全く音が出なくなったところもあり、砂浜全体が鳴り砂の浜辺はほとんどなくなっているそうです。

大田市仁摩町の「琴が浜」はその全国でもわずかしか残っていない砂浜全体にわたって砂が鳴る「鳴り砂の浜」です。

ただしこの「琴が浜」でも夏の海水浴シーズンなどは砂が汚れて鳴りにくくなります。

この貴重な「琴が浜」の鳴り砂の保全と環境保護を願って、国道9号線沿いに全国でも珍しい砂の博物館「仁摩サンドミュージアム」が建てられています。

エジプトのクフ王のピラミッドの墓室の砂と琴が浜の砂が良く似ているということと、鳴り砂の基となる石英がガラスの原料であるということから、大小6基の総ガラス張りのピラミッド型の建物で構成されており、のどかな田園風景の中で異彩を放っています。

この中には直径1m,全長5.2mの容器に1tonの砂を入れて1年かけて落とす世界最大の1年砂時計があり、毎年大晦日の夜、除夜の鐘に合わせて108人の年男・年女が綱を引いて砂時計を反転させています。

2008年封切の映画「砂時計」のロケが行われて以来、来場者が急激に増えています。

(情報 千田)

琴が浜海岸
仁摩サンドミュージアム 1年砂時計