松江城山の「なんじゃもんじゃ」

「なんじゃもんじゃ」は正式和名を「ヒトツバタゴ」というモクセイ科の樹木で、トネリコ(タゴ)の仲間ですが、トネリコが複葉であるのに対して、この樹は単葉であることから「一つ葉のタゴ」ということからこの名前がつけられています。

原産地は中国福建省で中国・台湾・朝鮮半島に分布し、我が国で自生しているのは長崎県の対馬と、岐阜県と愛知県の県境付近の2ヶ所のみで、いずれも国の天然記念物に指定されています。

今では国内でもいろんな場所で目にすることができますが、これ等の木のほとんどは上記の2ヶ所の自生地から移植されたものです。

花が開花した時の白い雪をかぶったような姿が人々を魅了し、各地で「なんじゃもんじゃ同好会」が結成されるなど愛好されています。

山陰地方では、松江城山にあります。

大手前の天守閣へ上る石段の手前に7〜8本の木が並んでいる他、椿谷などにもあり、毎年5月の上旬に花を咲かせ、地元の愛好家によるイベントが開催されています。

松江城山の「なんじゃもんじゃ」は、国内の自生地から移植されたものではなく、昭和15年に松江市出身の杉坂治氏が朝鮮半島から持ち帰って寄贈されたものです。

(情報 千田)