伝統的建造物群の倉吉の町並み

昭和50年の文化財保護法の改正によって、「伝統的建造物群保存地区」の制度が発足し、地方自治体で城下町・宿場町・門前町など歴史的な集落・町並みを選定し、保存が図られるようになりました。
その中でとくに価値の高いものを国が「重要伝統的建造物群保存地区」として選定して、保存事業への資金援助や指導助成などを行っています。
「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されている地区は全国で79ヶ所、中国地方では11か所、山陰地方では3ヶ所で、その中の1つに倉吉市の打吹玉川地区があります。
山陰地方の他の2つは、いずれも大田市で石見銀山の大森地区と温泉津温泉です。(別項参照)

倉吉は江戸時代から明治・大正時代にかけて商工業都市として繁栄した町で、保存地区は打吹公園前の、当時の町屋が建ち並ぶ本町通りと玉川沿い一帯です。
本町通りの赤い石州瓦の屋根、白い漆喰壁、腐り難く火事に強くするために表面を火で焦がした黒い杉板の塀や外壁などの町家、玉川沿いの白壁土蔵群に石橋など倉吉独特の雰囲気を醸し出している町並みです。

また、この土蔵群から600mに渡り、「倉吉レトロまちかど博物館」と銘打って、60軒程の店が店先に「まちかど博物館」のペナントを掲げ、店内に江戸・明治・大正・昭和の各時代をしのばせる懐かしいもの・珍しいものを展示しています。


(情報 千田)

白壁土蔵群 赤瓦1号館
焼杉板の外壁 「まちかど博物館」のペナント