羽根西の桂化木

「桂化木」とは、古代火山の噴火や洪水・地震になどによる土石流で地中に埋まった樹木に、土中の桂酸を含んだ地下水が浸み込むことによって、膨大な年月をかけて、樹木がその姿を変えずに二酸化ケイ素という固い石のような物質に変化したものです。

大田市には長さ6mの桂化木があり、国の天然記念物に指定されています。

JR久手駅から街中の平坦な道を10分位歩き、海岸線に沿って横たわっている小高い丘を登って、そこから階段道を一気に海辺まで降るとそこに桂化木があります。道は整備されています。

同じ大田市には、三瓶山の噴火による土石流で立ったままの姿で埋まった「小豆原埋没林公園」があります。
小豆原の林が埋没したのは約3500年前と言われているのに対して、この羽根西の桂化木はそのはるか昔、何と約2000万年前に埋没したものとされています。

小豆原の埋没林は、発掘により現在私たちの目でも見ることができるようになっていますが、羽根西の桂化木は埋没した時にははるか沖にあった海岸線が、長年に渡る日本海の荒波による浸食や地震などで今の位置まで後退して、自然に姿を表したもので、現在は海辺の岩場を跨ぐような形で私たちの前に横たわっています。

この桂化木を見ながら、人類もまだ出現していなかった2000万年前というはるか昔の山陰海岸を思い巡らせてみてはいかがでしょうか。

(情報 千田)

桂化木の有る海岸 桂化木