玉造のからす天狗

玉造温泉の旅館街を抜けた先にある玉作湯神社の階段を上ってすぐ右手に入ると左側に長い階段があります。
この階段を上ると平坦な道となり、この道を2〜3分進むと左手に山道の入り口があります。
(山道の入り口には案内板がありますが、手作りの小さなもので見落としやすいので、前方に小屋が見えてきたら左側を注意して見ていてくださいー小屋まで行くと行き過ぎです)

この山道を15分(500m)程登ると、山頂に小さな平地があり、そこに約800年前に開山されたと伝えられる金比羅宮があります。

金比羅宮の手前には風化している狛犬が数体ありますが、この狛犬は山陰地方で最も古い狛犬ではないかと言われています。

金比羅宮の右手に、来待石で造られた高さ約170cmのからす天狗が、自然石の上に立って、手にやつでの葉を持ち、目を見開いてにらみつけています。

からす天狗は烏のようなくちばしを持った顔をして羽根があり、山伏の装束を着て、空を自由に飛び回ることができる伝説上の生き物で、鞍馬山のからす天狗が牛若丸に剣術を教えたなど、日本全国で広くその言い伝えはあり、近くでは大山にもからす天狗の像があります。

台座には石工幸八作と刻まれています。

幸八については詳しいことはわかっていませんが、近くにある不動明王像に、万延2年(1861年)幸八作と記されていることから、からす天狗の像もこの時代に作られたものと考えられています。

(情報 千田)

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からす天狗像 不動明王像