天石勝神社と米原恭庵

益田でお寺と云うと雪舟庭園のある医光寺と萬福寺が良く知られ、多くの観光客が訪れていますが、その両寺の近くに有る「天石勝神社」(あめのいわかつじんじゃ)を訪れる人はあまりいないようです。
しかしながら、この神社は8世紀に建立された由緒ある神社で、特に16世紀に建てられた現在の本殿は、松江城と同じように、戦前は国宝に指定され、戦後は文化財保護法の制定により改めて国の重要文化財に指定されている建物です。
ちなみに石見地方で国の重要文化財に指定されている神社は3つしかなく、この本殿の他は、萬福寺の本殿と津和野町の鷲原八幡宮です。

境内には、米原恭庵の碑があります。
米原恭庵は1807年に生まれ、17歳で江戸に行って西洋医学を学び、南蛮貿易を通して入ってきた牛痘接種という方法を全国に先駆けて導入し、西洋医学がほとんど普及していなかった幕末の時代に、私財を投じて当時天然痘に苦しめられていた益田の住民に接種して、500人もの多くの住民の命を救いました。
その功績を讃えた頌徳碑です。


(情報 千田)

天石勝神社本殿 米原恭庵の頌徳碑