松江開府の径・檜山と床机山

松江駅の南1km程の所に小高い丘陵が横たわっています。
旧松江市街地と戦後急速に発展した住宅地乃木地区の間にある檜山と床机山です。
松江開府にあたり、堀尾吉晴公が安来市広瀬町の富田城から松江に移る時に檜山の尾根道を通って松江に入ったことから、この道は「松江開府の径」とされています。

松江工業高校の前の国道を北に入り、上り坂を登り切った所に「緑山公園」があります。
(松江四中から「緑山公園」に登る道もあります)
「緑山公園」の前には、堀尾吉晴公が満開の桜に道中の疲れを癒したとされる樹齢500年の「吉晴桜」があります。
「緑山公園」の前から、約1kmの尾根道が続きます。
尾根道は舗装道ですが、鬱蒼と木が生い茂り、市街地の側とは思えない静けさで、時を忘れてのんびりと散策するには絶好の場所ですが、尾根道の終わり近くは住宅が山の上まで侵食しており、急に現実に戻されます。
住宅の間を抜けて突き当たりを右に曲がると、左手に長い階段があり、階段を下って「売豆紀神社」の先を左折すると再び国道に出ますので、国道を横切って上り坂を登ると、10分足らずで「床机山」の上に出ます。

「床机山」は松江開府に当たって、堀尾吉晴公がこの山の上で床机に腰をおろして、松江城建設の場所や松江の町の構想を練ったことからこの名前が付けられたと云われており、松江の市街地が一望できます。
山の上には「登録有形文化財」に指定されている松江市水道局の「旧床机山配水池」があり、毎年4〜6月には「花園の里」として一般に開放されます。
その奥にある白い大きな建物は、現在の宍道湖岸に移る前のNHK松江放送局の建物です。

ちなみに「床机山」は山とも云えないほどの小さな山ですが、火山だそうです。

(情報 千田)


吉晴桜 檜山の尾根道
床机山からの松江市街地眺望 旧床机山配水池