石州瓦の館「グラントア」

「石州瓦」は、飛鳥時代の石見国分寺の建立に始まり、江戸時代初期、浜田城築城と城下町建設用に大量に造られたのが基盤となりました。
江戸時代の中期、雲州地方の来待石(現在の松江市宍道町)からとれる釉薬を使うことで、石州瓦独特の“赤瓦”として注目を浴び、山陰はおろか北前船によって遠くは北海道まで全国に広がっていきました。

2005年10月にJR益田駅から徒歩10分の地に総合芸術会館「グラントア」がオープンしました。グラントア(Grand Toit)はフランス語で「大きな屋根」の意。

3.7ヘクタールの土地(東京ドームとほぼ同じ広さ)に、県が170億円かけて建設し、屋根・壁は28万枚の「石州瓦」で覆われており、最も数多くの「石州瓦」が使われている建物です。
中庭は50m×50mの水盤構造で、水を抜くと屋外での薪能舞台・神楽舞台・大展示場となります。
芸術大ホール(1500席)・小ホール(500席)があり、それらの内部設備は国内有数レベルとなっています。

また美術館も併設されており、それぞれ毎月世界的な一流芸術プログラムが組まれていて、県内外の美術・芸術の創造と発信拠点として期待されています。


(情報 貴田)


建物正面 木調で温かみのある館内
水盤構造の中庭と石州瓦で覆われた建物